orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

富士通はIT企業からDX企業に変わる

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IT企業の代表格、富士通

IT企業という言葉から何が連想されるか。海外においてはGAFAなどのWebサービスを生業とする企業が強いですが、日本では何と言ってもSIerです。そのSIerの中でも代表的な企業が富士通なのだと思います。

内製化やデジタル化がトレンドではありますが、ITのことならベンダーに任せるという日本の文化は無くなる様子はないようです。無くなってもらうとこまるのもSIerの本音だと思います。

富士通と言えば、富士通半端ねえ、45歳以上に早期退職含むジョブ再配置拡大という今年3月ごろの記事で注目を集めましたね。中期的に富士通の経営成績は経営計画通りとは行かず、代表取締役社長交代等、抜本的な改革を行う姿勢が昨今際立っていました。

さて、その富士通の新経営戦略が発表されました。

 

www.nikkei.com

富士通(6702)は26日、新たな経営方針を決定し発表した。デジタル技術やデータを駆使して革新的なサービスなどの変革をもたらすデジタルトランスフォーメーション(DX)を収益のけん引役に育てる。

 

本記事のタイトル、「富士通はIT企業からDX企業に変わる」なんて、またorangeitemsが読者を煽っているんだろうと思うかもしれませんが違うんです。

 

新経営方針の中身

富士通のホームページにすでに新経営方針の説明資料がアップロードされています。

 

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https://pr.fujitsu.com/jp/ir/library/presentation/

 

この説明資料の2ページ目に書いてあるんです。

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私はこの文言を見て、驚きました。IT企業という存在を脱する宣言をしたということです。

ただ、少し違和感があるのが下記の2つのスライドです。

 

従来型ITの市場は年々減少すると言っておいて・・・。

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従来型ITにおける富士通の売上は3年後も拡大しているという、この高いハードルです。経営者なんてそんなもんか‥と思いつつ。

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考察

さて、まあ日経平均株価が上がっているのに今日の富士通の株価は2%弱下がっているので、この新経営方針はサプライズ無しと投資家には捉えられた感はあります。ただこのところ上り調子だったのもあり材料出尽くしの側面も強いです。

全体的に優等生的な内容に仕上がっており全部できれば良いのですが、まだDXとはなんぞや、というところが世間的にもあやふやであり、そのバリューをユーザー企業にきちんと届けられるかは大変未知数です。

リモートワークを推進すれば業績は上がるのか。デザイン思考やアジャイルを行なえば業績は上がるのか。社内のプロセスを見直せば業績は上がるのか。ドレスコードを自由化すれば業績は上がるのか。経営トップが情報発信すれば業績は上がるのか。

富士通自身がDXを推進し、リファレンスモデルになったときに、富士通の業績が上がらないのならユーザー企業がついてきてくれるはずがありません。

まだウォーターフォールによる従来のSIのほうがわかりやすいのです。なぜなら工数で業績が計算できたからです。何人月、の世界で仕事をしていましたから、人月分の仕事を営業が取ってきて、品質を担保していれば業績が上がる仕組みが出来上がっていたからです。

これを捨ててDX企業になると。ということは、DXをやったら儲かる仕組みがすでに確立されていてそれを実施すればユーザー企業も成長し自らも成長するビジネスモデルをすでに秘めていないといけません。

この経営方針だけではそこまでは読み切れません。その手を明かしたら他のIT企業に真似されるだけなのでぼかしているということだと思います。ただそのために、本当にやれるのか、やったらやったで結果が出るのか。この辺りが読み切れないと言ったところです。DXっていうのは富士通の専売特許ではないですから、どこでもできるのなら目玉にはなりえないでしょう。DXの裏に、富士通しかできない何かがないと話が通りません。

あとは半年後、1年後の決算を見たらわかることなのでしょう。

本当に富士通がDX企業になるのか。お手並み拝見と言ったところです。