orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

システム更改をDXと思っていたら2025年の崖から落ちる

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経済産業省がDXに危機感

ツイッター等々で情報収集していても、まあDX(デジタルトラスフォーメーション)は全くうまくいっていません。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 「複雑化、ブラックボックス化したシステムを抱え続ける企業は2025年以降、崖から真っ逆さまに落ちてしまう」――。

 経済産業省の大崎美洋商務情報政策局地域情報化人材育成推進室長は2019年7月4日、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する危機感を改めて訴えた。大崎室長は情報処理推進機構(IPA)が主催した「これからの人材のスキル変革を考える~DX時代を迎えて~」と題するセミナーに登壇した。

 

こんなセミナーが行われているんだなあということにまず驚き。

 

www.ipa.go.jp

 

これですね。東京にいるとこういう会合がたくさんあって、IT業界は東京に情報が集中しているようなあと思います。ITの登場でどこにいても仕事ができる、リモートワークだと言いながら、結局は集まっちゃうのがIT業界の可愛いところだと思います。

さて、それはさておき、この記事の通りDXはさっぱり進んでいないと思います。

 

原因は経営者のデジタルスキル不足

過激なことを言えば、ほとんどの経営者はデジタルスキル不足です。

これが前提として成り立っているので、DXなんかうまくいくはずがないのです。

パソコンを買うぐらいの発想でシステム導入を行うもので、それを行うSIerに丸投げしてしまっている。

SIerは言われたものを作ることに専念してきたのですが、これからはお客様のビジネスモデルを変えるデジタル中心のSIが求められるようになりました。

しかし、もともとビジネスモデルはユーザー企業が編み出さなければいけないものです。SIer側は実装する力はあるけれど、何を実装するかまでは持っていません。

だから、最近は「共創」や「アジャイル」なんていうのが流行っているんですね。SIerもわからないので、お客様の中に飛び込んで、一緒に考えましょうってやっている。

ここまでのシナリオに理解のある経営者なら、まだ救われます。

SIerのきれいな共創用の会議室に詰め込んで、シリコンバレーさながらにブレインストーミングするコストをねん出することに理解がある経営者なら、まだいいです。

でも、昔の発想から抜け出ていない経営者もいっぱいいます。また、いくらIT部門がDXが大事だと思っても、事業部門がIT部門を見下している会社もいっぱいあります。

これは、構造的な問題だと思います。本来、IT部門はもはや社長と同じレベルで決済し、物事を進めないといけないのです。

経営者がもしデジタルスキルを習得することに消極的であるなら、即退陣したほうがいいと思います。競合他社は間違いなく、デジタル化に動いています。

あと5年もすればその取り組みの差が顕著になり、取り返しがつかなくなる。急にできることではありませんから。

 

DXはRPAではないしクラウド化でもない

RPAを使って人員削減を派手にやったり、クラウド化してオンプレを一掃したり。こういう最近っぽいことをやると、DXかな?と思うかもしれませんが、これは全然DXじゃないです。

RPAを使うのは定型的な作業を自動化し、そこにつけていた人を開放し新しい仕事にアサインするためです。

クラウド化するのは、オンプレミスにかかっていた間接的なコストを削減し、運用効率を向上させ、可用性や俊敏性を高めることによって、デジタル対応しやすくするためです。

両方とも、DXをするための「準備」にすぎません。

だって、ビジネスモデルに手を付けていませんから。

お客様に物やサービスを届けるために、デジタルを使って新しい販路を形成し、その技術で本業を成長させていくのがDXです。

まだ取り組んでいるだけいいですけれども、なんだかRPAがリストラの道具のように使われたり、クラウドが運用を楽にするだけの話になったりすると、なんだか悲しいです。

その先、レガシーなビジネスモデルを、デジタルを利用して画期的に革新していく。IoTやVR、AIや自動運転、5Gなどもそうですが、いろんな切り口が出てきているのに、何だか昔ながらの仕事の仕方で、大昔に作ったシステムを延命させて、日々を過ごしているだけの会社がまだまだあって経産省が危機感を持つのもわかるなあ、という感じです。

それもこれも、経営者がデジタル人材じゃないから。

業績が傾いてからでは遅すぎるので、早々にデジタル人材を外から連れてくるなりして、日本全体でDXの流れを本物にすべきだと思います。

多分、日本のいろんなところで、デジタル人材が苦しんでいるんじゃないかなあ。経営者の理解とリーダーシップがないと、担当者がいくらがんばってもできっこないんです。5年に一度のシステム更改をいくらやったって、DXにはならないのです。 

経営者は数字を求められる。これから数字を出すためにはデジタルが必要になる。じゃあ経営者の持つべき今からのスキルは、デジタル、ということです。