orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

富士通とNECの第一四半期決算から、SI業界の現状を探る

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富士通NECと言えば、昔は国内パソコンのシェアを争っていた二社だったのですが、すっかり国内SIerとしてのポジションを固めました。

この二社の第一四半期決算の記事が出ています。

 

cloud.watch.impress.co.jp

エンタープライズの回復感が弱い。業種ごとにまだら模様であるが、流通系が低調である。ファイナンス&リテールでは、第1四半期は金融系を中心にいくつかの大口案件を獲得した。金融系のDXへの積極的な投資が出てきたが、小売りは厳しい。

Japanリージョンでは、官公庁が大きなマイナスとなり、キャリアが5G基地局を中心にプラスとなった。官公庁は大型プロジェクトの端境期にあり、下期偏重を想定している。これからである。富士通Japanは、ヘルスケア、中堅民需、文教はいずれも厳しい状況が継続している。コロナの影響を最も直接的に受けている領域である」とした。

 

cloud.watch.impress.co.jp

また、コロナ影響については、「さまざまな検討がストップしているというような状態はなくなっている。だが、景気に対する影響が大きい。運輸、消費関連、中小企業や地方での受注が弱い。金融、流通大手、中央官庁、通信は堅調な状況である。コンサルティングビジネスも堅調である」と話している。

 

つまり、弱いと言う業界は、

・流通
・小売
・ヘルスケア
・中堅民需
・文教
・運輸
・消費関連
・中小企業
・地方

だそうだ。

つまり、民間消費が絡む分野と、中小企業・地方など、より裾野の部分の業界がIT投資に対して非常に慎重になっている、と言うことのように読み取れる。

これは、裏を返せばDX(デジタルトランスフォーメーション)に慎重な分野とリンクしているように見える。

 

下記は富士通のレポートだ。

 

blog.global.fujitsu.com

 

この記事全体を読むとわかるのが、SIerへの実需が弱いという業界が、そのままDXへの遅れとリンクしていることがわかる。

IT自体が主役ではない業界が遅れているという指摘、そして中小企業ではIT人材が不足していることが響いているという。

コロナ禍による影響と揶揄されがちだが実は違っていて、中小企業の多い業界ほど、IT人材が不足し、そのためにSIerから見るととても実需が弱く見えているように思える。

中小企業自体が、NEC富士通のような大きなSIerと直接付き合うのは案件規模が小さすぎて相性が悪いと言うのもある。だいたいはSIerは案件規模が小さすぎる場合はパートナーに相談し、直接案件を引き取ってもらう代わりに、バーターとしてSIerのソリューションを使ってもらう、みたいな関係は多いのだが。

コロナ禍による景気動向によって、このようなIT投資の弱い業界ができたのではなく、DXを誰がやるか?の一点において、うまくフォーメーションができていないのが日本のボトルネックになっているように思う。

特に、DX関連のソリューションは、自社の業務に精通したうえでどうデジタル化していくか、という主体的な思考が求められるので、中小企業には荷が重い。

上記、富士通記事の後編も貼っておく。

 

blog.global.fujitsu.com

 

DXをやらないと!2025年の崖!なんて連呼していても、この中小企業の構造的な問題は対処できないので、ある程度の勝ちパターンのようなものをSIer側も用意する場面に来ていると思う。顧客側に人材が足りないとして、どうするのか。

この「今DXが進まない領域」というのは実は広大なホワイトスペースになっていて、ここに解をもたらした企業は大いに成長すると思っている。注目していきたい。