orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



AI・RPA・ロボティクスが年収180万円時代を到来させる

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年収180万円時代

遠くない未来に年収180万円時代がやってくるという記事です。

 

toyokeizai.net

クリントン政権で労働長官を務めたロバート・ライシュ氏は、退任後は経済学者として「富の格差」についての研究を進めています。そのライシュ氏は今世紀の始まりごろに次のような予言をしました。

「21世紀の社会では世の中の仕事は頭脳労働とマックジョブに二極化する」

マックジョブとは英語圏で言われる「マクドナルドの仕事のようにマニュアルだけをこなしていればできる仕事」のことです。

(中略)

マックジョブとは日本語で言えば非正規労働者の仕事とほぼ同等です。それ以前の日本社会には正社員の仕事があふれていました。それは熟練が必要な仕事です。就職して何年もの時間をかけて、仕事を覚えて、それでようやく一人前になる。

(中略)

世界全体ではこの先、中流という階級が消滅すると言われています。米ドルにして年収3万5000ドル以上、日本円にして世帯年収400万円弱以上の家庭を仮に中流だと考えれば、多くの日本人がその水準にとどまることができなくなる。一方で世帯年収180万円程度の新下流層と呼ばれる人々が世界中で増加する可能性があります。

2020年代はこのように新下流層が激増する時代だと予想されます。頭脳労働や正社員の仕事がなくなり、世の中には資本家とマックジョブをこなす新下流層しかなくなるからです。

 

マクドナルドの仕事を悪く評価するわけではなく、単に時給1,000円程度で業務が全てマニュアル化されている仕事と言う意味で、シンボルとしてマックジョブという言葉が使われています。時給1,000円で8時間働くと8,000円ですから、月20日働くと16万円。これで1年回すと192万円。つまりほぼ全部の仕事がアルバイト待遇になるということを言っています。

 

2000年初頭を振り返る

一方で、2000年初頭、正社員の仕事ばかりだった世の中が、だんだんコンピュータシステムによって単純計算の繰り返しが自動化されたこと、および派遣労働の拡大により、一部が非正規へ切り崩されました。そこからもっと進めて、正社員の仕事そのものがぐっと少なり非正規の比率が拡大し、年収300万円時代が到来しました。この現象を言い当てていたのが『年収300万円時代を生き抜く経済学』がベストセラーとなった経済アナリストの森永卓郎さんです。

 

 

2003年から15年経ち、この予測は完全に的中しています。2003年の政策を見てこれを予見したのはかなり評価されるべきと考えます。去年のインタビューがありますので紹介します。

 

www.1242.com

これからはもっと凄いことが起ころうとしています。年収10万円時代がやって来るということです。第4の産業革命で、普通の仕事はどんどん人工知能に置き換わって行くのです。10年先には半分の仕事を、40年先には9割の仕事を人工知能やロボットがやる。生き残るのは一部だけです。

しかし年収10万円じゃ生きて行けない。そこで10数年先に導入されるのがベーシックインカムという制度。既に北欧やインドで社会実験が始まっているのですが、生まれた瞬間から一生、月に7万円が自動的に貰える。家族4人だとひと月28万円。そういう時代がもうすぐやって来るわけです。その財源は、たくさん稼いでいる人が払うということです。そうしないと社会が回らなくなる。

 

森永氏は冒頭の年収180万円の先、ほとんどの国民にお金が回らなくなるので、ベーシックインカムで最低限の生活を国家が保証する生活まで描いています。

このシナリオはともかく、冒頭の記事と同じように、AIやロボティクスが仕事を食い尽くしていくというシナリオが一致していることがわかります。

 

ちょっと前に、私自身もこの「気味の悪さ」を感じ文を起こしました。

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業務の90%が削減されるということは、明らかに劇的に社会変化が起こることを示唆しています。社会学者も含めて本気でシミュレーションし、複数のシナリオを作成したほうがいいと思いますがいかがでしょうか。IT屋はRPAで儲かる、でいいのかもしれませんが一方で社会の変化まで責任を持たねばならないと思います。

 

2000年から20年ほどで、非正規労働の拡大とそれによる年収の300万円化の定着が現実のものとなりました。ここから20年もしくはもっと速いタイミングで次の社会への変質が起こるのは間違いないという確信を持っています。

 

今後我々はどうするか

冒頭の記事の鈴木氏は、こうおっしゃっています。

 

考えられる唯一の最適解は、資本家の側に回るということです。荒唐無稽なアイデアに見えるかもしれませんが、そうではありません。グローバル企業は主にアメリカと中国の企業に分かれているのですが、このうちアメリカの企業の株式は日本人でも買うことができます。

 

森永氏はこうおっしゃっています。

 

我々はこれから3つのコースの選択を迫られます。1つはお金を動かして大金持ちになる。もう1つは会社のしもべとなって働き続ける。第3のコースがベーシックインカムで食いつないで、アーティストになる。真面目に働き続けることが馬鹿馬鹿しく感じて来ますね。アメリカやヨーロッパもそうなって来ているし、おかしな世の中になりつつあります。

 

1つ目は資本家になること、2つ目は年収180万円で我慢すること。3つ目はベーシックインカムで食いつなぎながら芸術家になること。と言うことだと思います。

AIやロボットにはできないことを突き詰めていくと、どうしても芸術方面に価値が生まれそうなことは予見していました。

まあ、ITを仕事にしていると、自動化をすること(仕事にシステム、AIやRPAを導入すること)自体は人間にしか実装できないし、運用するのも人間にしかできないので、生き残りそうな職業ではあるとは思っていますがどうなることか。

こういった今後起こる社会の大きな変化をそろそろ大きな声で議論していかないと、知らないうちに年収180万円時代がごくごく自然にやってきますよ。