orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

DXできているかどうかを見破る視点は紙にある

 

今の仕事で紙は登場しない。ちょっと前までは社内処理で紙が登場していたがついにワークフローがデジタル化され、完全ペーパレスになった。プリンターは社内にいくつか設置されているが、ほとんど使われていない。紙で仕事したのはもう何年前になるだろうか。もうパソコンで完結することに慣れてしまった。最近、外部の会社と絡んだときに紙や印鑑が登場して「未だにあるんかこんな処理」と思ったものだけど会社によってはまだ残っていると思う。もう何の基準もなしに、物理的に紙が登場する時点で確信していい。DXできていない、と。それぐらい、物理的な紙ほど生産性を落とす存在はない。生み出してしまったらどこかに保管しなければいけないし、不備があればまた作成しなければいけない。電気なしでも残るというメリットはあるが、物理的に輸送しないと動かないし、その書類に書き加えられた修正、いわば改ざんを見破る方法もない。

大昔に紙中心の会社で仕事したとき。紙に印鑑を押す場所があり5箇所にハンコリレーをして完成する書類があった。その後不備に気付いたのだが、上からすらすらと書き加えて修正完了・・ってそりゃ改ざん。印鑑押した人たちも涙目。そんな白紙の小切手みたいな話あるんですかね、と思ったものだけど、もはや思い出である。

後、大量の紙が保管されている部屋がビルのかなりの面積を陣取っていて、あたかも古文書保管センターになっている姿を見たことがある。保管って言ったって、捨てるのが怖いだけで置いていたら膨張してしまったという話である。紙はデジタル以上に保管し続けるのが難しいし、保管したとしても今度は見つけることが難しい。

そうだ、昔のある書類を見つけるという仕事が発生して、その保管部屋に入ったんだけど、そのファイルが保管されているだろうキングファイルの背表紙で当たりをつけながら探していったのを思い出した。ない。むしろ背表紙と中身が一致していない(笑)。後は、背表紙がないパターンもあった。また、閉じすぎて、金具を外したら「バン」って大きな音がして、二度と閉じれなくなったみたいなこともあった気がする。

紙って、メディアとして迫力があるのは知っていて、明朝体でまじめったらしく文書を作り、印鑑でも押すと何か法的にものすごく強制力がありそうに見えてしまう。だからそれを利用していろんなワークフローが紙のままで色んな会社に残っているのは知っているけど、もはやデジタルでも同様に強制力はあるからね。紙の不便さのほうが圧倒的に勝っているので、もし紙の一枚でも見つけたらDXできてないなと思えば良いと思う。

後は、メモを取るときにまだ紙のメモ帳を使い続けている人がいるのを知っている。昔は会議の場にノートPCを持ち込むのには消極的だった。会議くらいパソコン離れて相手の目を見て話そうよという主義だったのだが、メモを取らないといけない会議も確かにある。そのときは昔は紙にペンだったけど、今はパソコンでもいいという考え方に変わった。それはリモートでの経験が大きいかな。パソコンで色々できるからね。随分昔の考え方を、昔だと断ずることができやすくなったけれど、紙にメモ、だって私はデジタル化すべきだと思っている。

DXと言うとかなり敷居が高そうに思うが、つまりはペーパーレスと考えればわかりやすいのではないだろうか。ペーパーレスの先にも世界はあるのだけど、まずは紙を無くしたらどうだい、と言いたくなる瞬間はまだたくさん、残っている。