orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

まずいぞ人材不足、DXの結果手が回らない

 

最近特にひどい。人材不足。

私はインフラエンジニアという職域で仕事をしていて、年齢が40代後半。基本的にはあと10年逃げ切れば、その後のことなんてどうだっていいと言い切ることも可能なお年頃である。

ところが、どうも「不確実性」が高まっている。

2022年までIT業界はかなりの好景気だったと思う。海外のビッグITは、どんどん人を雇用していたし給与水準も恐ろしく高かった。

ところが、ここに来て人材を大量に排出しだし守りに入り始めた。だいたいここ3ヶ月くらいの話だ。あまりにも変化が激しい。

3ヶ月後の未来が読めない時代だ。それなのに10年逃げ切るとか、おとぎ話に過ぎない。

今はデータサイエンスの時代と言われ、過去のデータを集めてエンタープライズなコンピュータシステムに放り込み、有能なソフトウェアを使えば未来は全て予見できる、のではなかったのか。全然そうなっていないし、そう言っていた会社もどんどん人材を放出している。ちゃんと予見できていたらそんなに採用しなかったのでは?。

これはきっと、過去のデータから瞬間的に予見するということを、全参加者がやったおかげで、全ての原因と結果に基づいた最良プロセスをやりつくしてしまったのではないか、と思うことがある。

競争とは、優秀とそうでない参加者がいるから、優劣が生まれるのであり、全員が優秀だったら何が起こるかわからないよね、ということ。

一昔前なら、それで勝てたかもしれない。しかし今や皆がその仕組みを身につけ、すぐに検索し理解してしまう。YouTubeには世界的に有名な識者がダイレクトに情報を流しているし、Google検索もすぐに回答をだすし、しかもChatGPTなんてAIも現れた。

こういう世界になった結果、もはや過去のデータが役に立たない次元まで及んでいるのではないか。世界が激変するスピードが早回しになったため、次が全く読めないのである。

 

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ここ最近、DXすれば企業は成長するという病が、全ての企業で流行ったために起こったこと。それはシステム数の増加だ。ノーコードに手を出してしまった企業は今、そのアプリが業務に入り込んでしまって、どう保守していくか悩んでいるに違いない。1つ1つの保守性は担保されているとしても、まだ人間が関与しないとここから先使い続けられるかは不明だ。これからWindows 12が出たらどうするか。Webブラウザの仕様が激変したらどうするか。ノーコードを動かす基盤のバージョンアップで動かなくなることはないか。いろいろ考えだしたらキリがないのが、保守である。

DXの時代、保守性も劇的に改善しているよね、クラウドだから永遠に使えるでしょう、なんてのも幻想だ。全てのサポートは有限であり、どこかでバージョンアップなり載せ替えは必要となるし、その動作基盤も日々変化する。APIを呼び出していれば、APIの仕様も刻々と変わる。

これは言い切りたい。保守工数はシステムの数に比例する。システムの数だけ保守要員を増やしたか。実は多くの会社でNOである。特定の担当者が担当するシステムの数が激増しているというのが今のDXだ。

悪いのはSIerでもなく、ユーザー側でもない。システムの保守工数を見誤った人類だ。このままでは10年後、システムだけが動き続け、誰も中身を把握していない、という会社が激増すると思う。

そうだよね、アウトソーシングしてどこかの専門会社にお任せしよう、というユーザー会社が遭遇するのは2つ。

・専門会社が人材不足に陥り、お手上げになるパターン
・アウトソーシングして、ベンダーコントロールしていた社内の担当者が実は一人で、高齢や転職や退職でいなくなり、お手上げになるパターン

2023年の今ですら、この気配が色濃くある。

10年後。2033年。

どうなっているのか、どうにもなっていないのか。

何だったんだ、DXブーム。どんなに過去のデータを見ても、きっとこうなるだろう。

 

**過去起こった同様の状態が存在しないのでわかりません**