orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

情シスのお仕事って、とても報われにくい仕事なんじゃないか

 

情シスが転職活動をよくしている、って話を読んだ。

 

japan.zdnet.com

インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月20日、企業で働く人に仕事の満足度やキャリアなどをアンケートし、情報システム部門人材の現状などを分析した結果を公開した。情報システム部門人材の約23%が直近1年間で転職活動を行い、業種別ではIT(ソフト・ハード)が約33%に上るなどのことが分かったという。

 

私も、過去情シスにカテゴライズされる組織に何回か在籍したことがあるし、顧客が情シスという場合もある。とても近しい存在だ。

ある情シスの人に、「もっと高度なIT分野を経験するはずだったのに、今何やってると思う?。朝パソコンの電源が付かないって従業員に呼ばれて、行ったらコンセントが抜けてる、みたいなので床を這いつくばってるんだよ。」と愚痴られたことがある。

そりゃ大変ですな、と思いつつ苦笑いをするしかなかったが、そんな仕事部下に振れないの?と思ったら、ひとり情シスだったというオチである。

なんとなく会社の中で情シスって、総務のような間接部門と同じ扱いをされ、ITの何でも屋になりがちだ。ITなら何でも、となると個人支給のパソコンにまで話が及び、そして近所のパソコン博士的な扱いとなる。

まだ専任の情シス担当がいればいいが、兼任の場合もある。兼任ならストレスマックスである。本業の仕事の傍ら、パソコン博士なんてやってたら気が狂う。

会社の従業員のITリテラシーが低ければ低いほど、状況は悪化する。そして、自分の稼働時間は雪だるま式に増えていきながら、扱いは間接部門なので、自分自身が経営に関与できている実感が沸かない。

一方で、事業部門は働いて売上を外部から引っぱり、利益を会社に残す。会社に貢献できていることが数値化しやすく、会社の中でも存在感を発揮しやすい。

ここまでは会社のよくある風景だが、ここに来てDXブームが到来した。

会社の業務をデジタル化しないと競争相手に負けてしまう。

じゃあ、社内のITを司ってきた情シスが活躍するチャンスか・・・?。

ところが、DX組織には情シスは登場しないのである。

各事業部門からメンバーが集められ横断プロジェクトが作られ、そしてお抱えITベンダーが登場である。

つまり、DXは業務部門主導で進められる。情シスには最後に伝えられるのだ。社内システムを立ち上げるだの、管理してくれだの、接続するために手伝ってくれだの、最後の最後に話がまわってきて、なんなんだ、となりやすい。

業務部門だって自分たちの領土なので、間接部門との棲み分けには敏感なわけで。

私が知っている情シス部門だと、こんな具合だ。

少し昔に、情報システム部門を「経営システム部門」と言い換えるブームがあった。これからは経営とシステムは一心同体だと。そもそも、それってDXの走りだったんだなと今になって考えたら思う。

で、多分に情シス主導で、経営変革しようとした時期もあったわけだけど、結局は小粒な基幹システム刷新で終わるところばかりだった。しかもベンダー丸投げが基本なので、ベンダーコントロールと予算管理ばかりが残り、実際の基幹業務に関する要件定義は経理や人事などが握るので、情シスは「あーー」となりやすいよね。めんどうな保守だけは確実にまわってくるのであり。

一方、マルウェアの問題なんかは年々深刻になってきていて、セキュリティー中心に責任は重たくなるばかりで。

大変な仕事の割に、報われにくいポジションだよな、と思う。転職活動が活発だって話を聴いて、まあそうだろうなと頷くしかなかった。