orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

年商一億円を突破する事業が長続きするワケ

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「年商一億円を突破する事業が長続きする」という説を聴いて、何となくピンと来るので自分の経験から同調してみたい。

年商はつまり売上、そしてそこから原価や経費を引くと利益、いわゆる粗利になる。

粗利からは税金などを引かなければいけないがそれはまた別の話にしておく。

売上から売上のためにかかる仕入れ費用と、自分の人件費など差し引いて、粗利が出てくるが、行うビジネスの性質によってどれくらい残るかは変わる。いわゆる薄利多売と言われるビジネスだと数%ぐらいしか残らないし、とても原価や経費が少なくて50%以上が粗利で残るビジネスもある。いわゆる粗利率の話である。

粗利率が高くて有名なのが「水ビジネス」で、水はタダみたいなもので、これを1リットル数百円で売るとボロ儲けとなる。しかし単に水を汲んで人に持って行っても数百円どころか誰も一円もくれない。おいしくいただいてありがとうで終わりだ。何とかの名水だの、夢のあるフレーズを突っ込んで、それが特別であるかのように大量広告する。いわゆるブランディングマーケティングと呼ばれる分野だ。商品は商品だけでは価値はなく、広告やデザインで価値を育てていく。その結果、高くで人は買ってくれるのだ。もちろん、そこにウソが混ざってはいけない(不正競争)ので、清く正しく行わなければいけない。

単純に粗利率を上げたいのであれば、原価や経費を使わなければいい。水の品質も重要だし、手に入れるにも設備が要るし、少なくとも水をパッケージして運ぶことはやらなきゃいけないし、自分の給料も必要だ。しかしそれ以外何もやらなければ粗利率は高そうなものだが、しかし水は手に入れども一滴も売れないかもしれない。

だから、利益を残すより、たくさん手元のお金を使ってブランド価値やお客様の認知度を上げていく。初めのうちは粗利より売上重視となる。売上以上に粗利はないのだから、売上が小さすぎてはビジネスにならない。だからベンチャー企業は資金を調達することそのものが本業になる。元手が無ければいい物を持っていてもビジネスにはならない。お客様に届かないからだ。

さて、年商一億円の話に戻す。

年商一億円というのは、自分一人でこなすことのできるビジネスの限界値のように感じる。自分以外に人を増やすと何が起こるかと言うと、原価が増える。利益が自動的に減る。残念ながら初期の段階で人だけ増やしても、商品に対するブランディングマーケティングの品質が上がるわけではない。そもそもそれが成功するとは限らない段階で、人を増やすのは危険に思う。それより、一億円くらいのビジネスであれば自分一人で廻すことができる。もし優れたビジネスでありそれを自分が一番わかっているのならば、とりあえず一人で全部廻していく。いわゆる個人事業だ。将来スケール(拡大)ことを見越して仕組みから何から全部自分の好きなように仕上げる。一億円ビジネスというのはプロトタイプである。撤退するとしてもちょうどいい。売上を上げてしまうと、それだけ責任をお客様に対して負わなければいけない。一億円までなら、「すいません、事情があって辞めます」とも言いやすい。一人でやっているので、私の個人的な事情で・・とも言いやすい。でもそれを超えると、辞められなくなる。先にお金を支払ったお客様を盛大に裏切ることになる。

一億円を安定的に超えていくとき、それは完全に人を増やすタイミングだと思う。仕事にボリュームが出てきて自分一人で物理的に抱えられなくなり、仕事を分担することが合理的になるから。そして、ビジネスが拡大してビジネスの継続性が生まれるので、その人も安定的に仕事を得ることができる。自分のビジネスに人を巻き込むと言うのは責任重大だ。失敗したらその人はまた別のことをしなければいけなくなる。そのためには、そのビジネスが安定的に発展し継続していくことが大事になるからだ。

ビジネスを二人以上で始めるにあたって資格などはいらないので、よく仲良しの学生同士がグループで始めることも散見されるが、思いのほか人数分食わせるというのは大変だと思う。

まずはビジネスのコアとなる人が年商一億円のビジネスを作り上げる。そこからは人材を増やしながら、売上と粗利のにらめっこだ。どこまで投資するのか。三年後、五年後はどこまで伸びるか。そして市場は大きくなるのかならないのか。成長したいのかある程度まで伸びたら満足なのか。そのために追加で人材が必要か。いわゆる中期経営計画の分野になるが、正直年商一億円未満のときにそんなことを考えるのは時期尚早なのだ。失敗するのなら、早いほうがいい。傷も小さく済むし、スタートは何度やってもいい。

年商一億円を超えたら、あとは粗利率はビジネスに寄って当然違うので、年商の伸びは変わってくるがそこからは保守的に粗利を確保する場面も必要になってくる。手元資金がショートすれば継続できなくなるのだ。全く違う戦いが必要になってくるので、経理の専門家、マーケティングブランディングの専門家、そして技術の専門家、と言った分業による最適化と、それをまとめるマネージャーも専門的なスキルが必要になってくる。

年商一億というラインで、

・ビジネスが中長期に拡大できる基礎ができる
・人を増やすことができる

この二点が揃うのだ。だから、長続きする事業になるのだ。

逆に、人を増やさないで個人事業のままでいたいのであれば、このラインを超えない方が良いと思う。過重労働になり品質が落ち逆に長続きしないからだ。

今回の話はかなり個人的な経験から来ている感覚的なロジックだが、私が知っている成長するビジネスを持っている人たちのほどんどは一億円まではほとんど一人で動かし、それ以降は右腕となる人物を受け入れていた。

新規ビジネスに興味がある人にとっては、重要な観点だと思う。