二日くらい前のTwitterで、「インボイス制度がヤバい」と聴いていたので、少し勉強してみた。ほとんどのフリーランスを潰しにかかっていると。いやあ、そりゃあ言い過ぎでしょう、またまたネットはいつも大げさだねぇと思ってたかをくくっていたのですが、情報収集すればするほど、これは確かにヤバいですよ。
何がヤバいって、おそらくほとんどのフリーランスに発注していた担当者は、これはインボイス制度実施後は企業に頼んだ方が絶対いいな、と思うはずです。もしくはフリーランスを契約社員にするなど、給与で支払った方が良いと言う判断もあろうと思います。
インボイス制度の専門的なことをここで話すと少し難しい数字の話になるので、この記事ではできるだけわかりやすく順番に話します。だいたいの概要をつかんだ後に、専門的な記事を読めばより正体がわかるでしょう。
で、なんで冒頭のようにフリーランスに頼みたくなくなるのか。これは、フリーランスは今までは年間の売上が1,000万円未満なら消費税を支払う必要が無い、ということが重要なポイントになります。
でも企業のシステム開発などで考えればわかると思いますが、ユーザーが10億円のシステム構築をSIerに頼んだとすると、最終的に国はその10%の1億円を消費税として徴収したいと思いますよね。だから、ユーザーは11億円をSIerに支払います。
これで、SIerが1億円を消費税として国に納めるかというと違っていて、10億円のシステムを作るのに年収900万のフリーランスを100人集め1年稼働させたたとします。そうすると9億円をフリーランスに支払ったので、1億円がSIerの手元に残りますよね。で、1億円のうち10%を消費税としておさめますから、1,000万しか消費税を支払わないことになります。
お、それは国はお困りになりますよね。だってユーザーは1億円分消費税を払っているんだから。残り9,000万円はどこにいった、と。ここで本来ならば、年収900万のフリーランスたちには実は990万支払わないとおかしいんです。増えた90万は消費税です。そして、本来はフリーランスは90万を消費税として納めたら、90万x100人、つまり9000万円がここで国に消費税として合計徴収されるはず、でしょ?。
しかしここで邪魔になるのが「年間の売上が1,000万円未満なら消費税を支払う必要が無い」っていうルールです。フリーランスたちは消費税免税だー!って支払わないものですから、ユーザーが消費税を1億円支払っても、国には1億円どころか1,000万円しか入らない現象ってのが起きてしまっていたわけです。
そこで「インボイス制度」ですよ。
SIerが消費税を計算するときに、売上から仕入れに使ったお金を引くというのは、上に書いた通りです。ここではフリーランスに支払った金額を引いてましたよね。
インボイス制度施行後は、ここでのSIerは消費税を計算するとき、免税対象のフリーランスに使った金額を、売上から引けなくなってしまうのです。
つまり、消費税が免税のフリーランスの消えた消費税分は、SIerが支払えよ、というそんな制度です。免税対象者を抜け道にした消費税節減ができなくなる、ということです。
インボイス制度施行後、SIerの立場だったらどうするか。
①フリーランスに支払っていた分にかかるだろう消費税をSIerが払ってあげる
これしかなくなるんですが、SIerからすれば実質10%値上げと同じになるんですね。でもフリーランスの懐に入るのはこれまでと同じ金額。
で、SIerの予算は決まっているでしょう?。そしたらおそらく10%程度の値切った金額で発注をかけてくるようになるはずです。
年間の売上が1,000万未満のフリーランスで、しかも10%値切るって結構な金額。その上そこから所得税や社会保険料も支払わなければいけないですからね。
もしくは、
②フリーランス側もちゃんと消費税を支払うか
です。そしたら企業は売上から今まで通り引けるので、今まで通りの金額で発注してくれると思いますが、今度はフリーランス側が受け取る金額から消費税を払わなくてはいけなくなる。つまり、フリーランスが消費税を乗せて契約しないと割に合わなくなる。
これ、どこからどう見ても、1,000万円未満のフリーランスの人にはインボイス制度って何のメリットもないのは必然ですね。ちなみにこれまで1,000万円以上稼いでて消費税を支払ってきた人には何の変化もありません。
・・・と、ここまでの概要は、以下のページで勉強しました。
繰り返しますが、2023年10月から施行です。
実質、売上1,000万円未満の消費税免税が無くなるのと同じ意味を持つよな・・。と思っています。フリーランスより、企業で稼ぐ方が全然いいように思いますし、1,000万円以上のフリーランスが成り立つなら起業して会社にしたほうがこちらもメリットが多いように思います。
いつの間にこんなことに・・、と勉強になった件でした。