orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

営業と技術の間にある論理の違い

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私は技術の方の人間なので、営業の専門ではないのだけど営業の人とはよく話をする。ビジネスをやっていると、お客様から頂く金額があってこれは売上になるのだけど、そこから、サービス提供のためにかかる費用、いわゆる原価。そして人件費などにかかる費用、いわゆる経費みたいなものをさっぴいて利益が出る。売上より原価や経費にお金をかけてしまうと赤字になる。

ビジネス自体を評価するときはそれでもいいのだけど、何しろモノやサービスを誰かに提供するには、売らねばならぬ。いわゆる営業である。どうやっても売上よりはお金を頂くことは難しい。ま、投資してくれる人を見つければ別だが。何しろ売ってこそのビジネスである。だからビジネス自体がペイできているかと、モノを売るというのは、どっちが先かみたいな議論には必ずなるのである。

売上から、営業のための費用、いわゆる営業員に対するサラリーや、広告宣伝費を賄えればもはや立派な一人前のビジネスだが、何しろ時間がかかる。売上の自然な伸びをまって拡販のための費用を使っていくのが健康な経営とも言えるのだが、流ちょうなことを言っていると時間ばっかり経って行って、そうこうしているうちに、お金を持っている競合会社が、売上もおぼつかないうちから大量に営業・広告に力を入れて、どんどんシェアを奪っていくかもしれない。だから将来有望と思われる市場が現れた時には、何百億とかけて広告やキャンペーンを打ち、時間を買うような戦略も最近見た。QRコード決済なんかはわかりやすい例だ。

技術の人間から見ると、売上に対して適切な頭数を設定し、安定した利益を出そうと数字をはじくのだけど、何か底知れない別世界がある。売上に対する適正人数、ではなく、とにかく営業の数を増やせば売上は増えるのだ。もし増やしても売上が上がらないのなら「営業の働きが悪いのだ」というセンスである。これが、技術の人間からはわかりにくい論理なんだと思っている。

IT、とくに外資で、開発はアメリカでやっていて、日本には営業会社と日本語の技術サポートしかないという形の会社はよくある。よく彼らを見ていると、日本自体で売上ている金額を完全に無視して、どんどん営業を増やして、その上で営業には厳しいノルマを課し売れないなら辞めちまえ、みたいなやり方をしている。逆にものすごく売った場合には、技術者から見て法外な報酬を得るようなルールだ。そういった世界にいる方は会社をよく移る。結局のところ何を売るかではなく、どう売るかなのだ。

話を戻して、技術においてはとにかく、どれだけの売上を達成しその中で適正な人数の運営メンバーを確保するかに注力する。そして「生産性」を上げようとする。かつ、人は転職したり退職したりもするので、属人的にならないようにする。それが普通の感覚なんだと思うのだが、ちょっとこれは、実は少し古い考え方なのではないかと思うときがある。

もう、サービスの価値が一定以上を超えると、もう人を何人でも雇ってもいいような状況が訪れる。人数が多ければ、属人的にもなりにくいし、適性以上の人数をそろえていれば運営量不足にもならない。そうなるためには圧倒的な売上と、利益率が必要だ。仕事が足りすぎて、社員が暇になるのではないか。そう、それぐらいでちょうどいいのだ。誰が辞めだのでイチイチ悩むような「適正人数」は適正じゃないのだ。もう人手不足の悩みなどやりたくないし、それこそ人数多くわいわいやったほうが楽しいじゃないか。あんまり暇なら新しいビジネスでもやりたくなるだろう、なあ、そうだろう。

と、冒頭の営業会社であったり、圧倒的利益を達成する会社の考え方を踏まえると、適正人数をギリギリで構えつつ、営業もそこそこに運営するというのも、まあ安定的ではあるが、単なる一つの考え方に過ぎないな、と思うのである。