orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「経営者が新規事業を失敗させてしまう7つの罠」←これは良い資料、感想をいろいろ書いてみた

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新規事業を行うにあたっての心構え

スタートアップでベンチャーで、ではなくとも新規事業に携わる方は多いと思います。特に4月になって年度替わりの会社も多いので、さてスタートだというシーンも多いのではないでしょうか。

新規事業を行うにあたって、良い資料を見つけたのでシェアしておきます。ビジネスモデル自体はともかく、新規事業の立ち上げ方は必見です。

 

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金言だと思うこと

わたしも新規事業を立ち上げた経験があるので、強く共感した部分を記載しておきます。

 

金言: 一度作っただけでは価値がない

こちら、単にフロービジネスよりストックビジネスが優れているということを言っていると思う人が多いと思います。ストックビジネスは、基本的に毎月売り上げが入ってくる設計なので事業が安定することはたくさんの人に知られているところです。IT業界であれば、SIで初期構築するより保守のほうがうまみがある、ということに凝縮されるのでしょう。最近はユーザーも保守がばかばかしくて値下げ要求が強くなっています。

この話。そんな簡単な話じゃないと思っています。もし優れた市場、成長性のある市場をつかんだ場合、初期構築の話が途切れないんですね。一見フロービジネスなのですが引き合いが途切れない。フロービジネスだって継続的に案件がこなせ続けるのであれば結果的にストックビジネスと何ら変わりません。

したがって、一発当てて次がこないフロービジネスは危険だというのはわかります。たまに一発当てて業務拡大したら後が続かなくて経営危機、みたいな話がありますよね。それです。

拡大する市場に乗ること、これが大事だということです。単にストックビジネスを礼賛しフロービジネスを軽視する人がいますが、これは盲点なので気を付けましょう。問題は成長する市場でシェアを持てるか、これが大事です。

 

罠:プロダクトオーナーが不在がち

新規事業の責任者は社長のようなもので、ビジョンでありルールブックであり地図です。事業が軌道に乗るまでは船長としてデンと構えてないと、すぐに座礁します。

また、最悪のケースで船長が直接オペレーションできる能力を持っている必要があります。わかりやすい一文にまとめるとすれば、船長一人で全て回せるビジネスこそが王道ということです。それを拡大していく、という側面で考えると、特に初めのうちに責任者が不在がちになるというのは致命的です。

一方、不在であっても、オンラインでチャットや課題管理システムなどを使ってつながっていれば補完できますから、オフィスに這いつくばる必要はありません。

 

罠:事業のコアをアウトソースしようとする

これは、わかりみがすごい。。

特に、既存の事業会社で新規事業を立ち上げたときに、既存事業の上席などから「今後急成長したときに備えてパートナーを早めに捕まえたほうがいいんじゃないのか」「責任者に属人化しているようだが、リスクではないのか」みたいなことを言われるケースが非常に・・・多い。

安定している既存事業だとアウトソースするのは常識かと思うのですが、なんで事業の初期の初期にアウトソースして、商売の肝を他社の技術者に教えなければいけないんだということです。私も断固拒否したことがあるのですが、新規事業においては自社メンバーで固めるべきです。一番おいしいところを、他社に教えて最後は持っていかれるのがオチです。

 

罠:現場や顧客にヒアリングにいかない

新規事業において、当初につくユーザーは神様です。彼らがないと立ち上がりません。その神様に会いに行って、すごく満足しているのかそうではないのか、というのは今後を占う上での大事な指標です。

不満を放置すれば間違いなく近い将来関係が終了します。迅速な改善を続けていくことが重要です。それでも笑顔にならないのであれば、その商売はハズレです。

一方で、すごく満足いただけている場合。またそれが複数のユーザーにまたがっている場合は、ユーザーが抜けません。しかも往々にして満足頂いている場合は維持に工数がかかりません。不満のときほどリカバリーに力を使いますよね。

ということで、ユーザーの顔を見てこのまま新規事業の拡大をめざすのか、それとも拡大に問題があるのか、一番重要なセンサーですので利用するべきです。

 

罠:優先順位を決めない、全部ほしがる

いわゆる選択と集中ですが、初期にこれをやるべきです。

売上が欲しいばかりに、ビジョンとは関係ない仕事まで受け取ることがあります。社内外のいろんな付き合いで受けざるを得ない仕事というのがあります。これが成長を阻むリスクポイントになります。事業のコアじゃないことをするわけですから、生産性も悪ければ横展開もできません。したがってスタッフの工数だけ取られて、コア事業の拡大ができない。

これ、実話ですので気を付けましょう。毒まんじゅうってヤツです。

 

金言:新規事業には人が足りないくらいがちょうどいい

これは勇気づけられる言葉です。

伸びているときは人が足りない恐怖をおぼえるわけですが、急に「凪(なぎ)」になることがあります。年末とか連休前などは急に仕事が減ることがあります。もしくはもっとロングで半年くらい、仕事の波でたまたま仕事が減ることがあります。このとき抱える人件費はジャブのように効きます。暇なスタッフが数カ月目の前にいると、それはそれで胃がキリキリしてくるものです。

その期間を耐えるために、人は少ない方がいいです。仕事が増えてから、人を増やすくらいでちょうどいい、わたしも今のところそう思っています。

本当に首がまわらなくなったら、それはそのときかな・・。

 

 

罠:既存事業と数字で比較をする

ほんとこれやめてほしい。既存事業が売上100億で営業利益率が1%で営業利益が1億なんていうあまり生産性の高くない事業をやっているとして、新規事業を初めて営業利益率を向上させようなんて企業はとても多いのではないでしょうか。

で、既存事業をやっている人たちは、自分たちは年間100億回しているんだぞという顔をするわけです。新規事業で年間1億で、営業利益率10%で回して営業利益1000万を達成したとします。彼ら、100億こっちはやってるのに1億かみたいな目で見てくる・・(人もいる)。

よくよく見ると、新規事業をこのまま10倍にすれば、営業利益額(1億)では並ぶんですね。売上なんて既存事業の10分の1でよいということになります。

新規事業の立ち上げ時に、数字がスカスカなのでなんとなく肩身が狭い思いをすることが多いと思いますが、ほんとそれってナンセンス。

あの、新規事業立ち上げ時の疎外感ってどうにかしてほしい。100億はともかく、既存事業を回す人数ってすごいので、マイナー感が半端ない。

 

これぐらいにしておきます。ニ三、わたしと意見が違うところもありますのでそのあたりは割愛してあります。

 

新規事業は良きものなり

・・ということで、春から新規事業!という方も多いかと思い、わたしなりの感想をまとめてみました。

小さくやって、小さく失敗してクローズするのも良い経験になると思いますので、絶対成功しないとゼロになるというものでもありません。

うまくいかない既存のことを続けても、うまくいかないままですので、ぜひ新規事業を手掛ける機会があればトライしていただきたいと思います。自分自身の成長を促すことは間違いないです。