orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

ノルマは百害あって一利なし ノルマから始まる企業モラルの崩壊

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かんぽ生命がノルマの廃止

かんぽ生命がノルマの廃止を決めたそうですね。

良かったです。

 

www.nikkei.com

日本郵便は不適切な販売が多数見つかったかんぽ生命保険の保険商品について、2019年度の営業目標や販売員のノルマを廃止する。当面は既存契約者への説明や意向確認などに専念する。過重なノルマは営業担当者へのプレッシャーとなり、新旧契約に重複加入させるなど顧客に不利益を与える問題につながっていた。

 

ノルマが働く人々に問題を誘発し、会社を揺るがす問題となったことは過去を振り返ると何度もあります。その事例を振り返り、いかにノルマが良くないものかを把握したいと思います。

 

ノルマが経営を狂わせた事例

 

野村證券

www.dailyshincho.jp

「伝統的に野村は“ノルマ証券”と呼ばれるほど上司の締め付けが厳しい職場の割に、業績が揮(ふる)わなくなってからは待遇が良くない。中村の同期は450人ほどいましたが、3分の1ほどが辞めましたね。それだけ現場の不満がたまって“闇営業”に走りやすい環境ではありました。顧客には関連企業の野村不動産ではなく、自分の息のかかった不動産屋を紹介してマージンを稼ぐ輩もいた。中村は仮想通貨にのめり込み損を出したようです」(同)

 

三井住友銀行

biz-journal.jp

 2019年4月24日付けの日本経済新聞は、三井住友銀行が個人向け営業における行員のノルマを廃止すると報じた。その翌々日には、みずほ銀行も同様に、従来本部が決めていた支店の販売目標(ノルマ)を、支店自体が決めるようにすると報じた。三井住友銀行の母体である住友銀行は、銀行業界でも「モーレツ商法」を代名詞とする好戦的、攻撃的な銀行で知られていた。その住友銀行の系譜を引く三井住友銀行ですら、ノルマを廃止する世の中になったのかと隔世の感がある。

 

スルガ銀行

www.sankei.com

シェアハウス投資をめぐるスルガ銀行のずさん融資問題で、弁護士らによる第三者委員会が7日、調査報告書を公表した。第三者委は審査資料の改竄(かいざん)など不適切な融資について、「一部では営業職員自らが偽造に積極的に関与していた」と認定。現場無視の実現不可能な営業ノルマを課された多くの行員はパワハラの圧力にもさらされ、不正融資に走ったとした。

 

ホシザキ

www.nikkei.com

業務用厨房機器大手ホシザキの経営が揺れている。2018年秋に販社で発覚した不適切取引を巡って有価証券報告書の提出延期などを繰り返し、企業統治不全が露呈。5月下旬にようやく再発防止策をまとめたが、株価は一連の不祥事発覚前の8割弱の水準にとどまる。決算延期を伴った不祥事への不信感に加え、これまでの高収益体質への回復には疑念を抱く投資家が多いためだ。

 

JA

diamond.jp

農政改革を牽引してきた小泉進次郎氏が「農林部会長」を退任した。永田町では、守旧派の農林族議員による巻き返しが始まっている。 そんな矢先に、JA柏崎(新潟県)による組合員への物品販売では、改革と逆行するような呆れた実態があることが「週刊ダイヤモンド」の調べで明らかになった。農業振興と関係がない輸入食品が中心の“お歳暮の販売のノルマ”を職員に課していただけでなく、JA幹部による組織の私物化を疑われても仕方のない裏事情があることも発覚した。

 

米銀ウェルズ・ファーゴ

www.nikkei.com

焦点となったのはウェルズ・ファーゴの企業体質だ。基本給を低く抑えて顧客獲得数などの達成度合いで報酬が上乗せさせる仕組みが、行員の不正行為を招いたとの批判があった。スローンCEOは顧客へのサービス内容で評価する体系に改めたと説明したが、米紙ニューヨーク・タイムズが複数の現役・元行員の話として「ノルマ重視は変わっていない」などと報じていたため、議員から体質改善を疑問視する声が相次いだ。

 

商工中金

www.sankeibiz.jp

 不正が行われた「危機対応融資」は、災害や金融危機で業績が悪化した中小企業などに低利で資金を貸し出す公的制度で、利子の一部(約0・2%分)を国が負担する仕組み。融資枠(予算)を使い切らないと、次年度から減額されるとの危機感から、経営陣が「必達」と厳命したうえで、需要を超えるノルマを支店に課していた。

 現場は、あえて顧客の業績を悪く改竄し、制度の対象外の企業に不正に融資していたケースが多発。全国100店舗の約9割の店舗で見つかり、件数は4千~4500件に上るとみられる。

 

東芝

blogos.com

「死に物狂いでやってくれ」
「このままでは再点検グループになってしまう。売却になる」
「事業を死守したいなら、最低限100億円やること」

 2009年1月23日、東芝の西田厚聰社長(当時)は四半期報告会で、営業赤字の見通しを持ってきた現場に「チャレンジ」を求めた。不正会計を調べた第三者委員会の報告書にはこう記されている。

 

考察

どの企業の事例も、経営者が無理な数値要求を部下に行い、部下はコンプライアンス意識が欠如していく。そんな図に見えます。

会社員だって一人の人間ですからできるだけ倫理的に活動したいものです。しかし、数字を達成しないと見るや叱責、処罰、いろいろな形で人の心を傷つけていき最終的にはどんな手を使ってでもノルマを達成してやるという形なってしまう。しかもそれが最終的には組織的な活動や文化にもなってしまい企業風土が傷ついていくというシナリオです。

世の中いろんな会社があるのになぜにこうも同じルートを辿ってしまうのか。不思議としか言いようがありませんが、結果としてこれだけたくさんの事例があるということは株式会社とは普遍的にこのようになる性質を持つと考えた方が良いと思います。

経営者は、経営目標を立てそれを部下に対して数字で割り振る際に、その達成に対してどのようなプロセスで行うかまで関与しないと、部下は暴走してとりあえず数字だけを取り繕ってしまうという性質を知るべきです。わざと見て見ぬふりをする経営者は失格だと考えます。会社のビジョンにノルマを達成せよとは書かれていないはずです。会社のビジョンに反するような非倫理的な行動を御するのが経営者の仕事であれば、ノルマの達成よりもビジョンに近づく行動こそ褒め称えるべきだと思います。長期的にそれが会社の成長につながると考えます。

従業員は、ノルマと言われるものが降りてきた時、最後の自分の中の良心、人格を成り立たせている大事な価値観を失うべきではありません。もし会社が絶対におかしいことを指示している、と考えたときにはきちんと意見をし、受け入れられない場合は転職できるように普段から情報収集とキャリアアップを考えるべきです。会社がノルマのために非倫理的行為を指示する場合、会社と自分はWin-Winではないです。Win-Loseの関係です。もしノルマを達成しても自分自身はLose(負け)でしょう。自分の心を傷つけてしまいます。そしてどんどん非倫理的な行為をすることに慣れてしまいます。

ノルマは百害あって一利なし。ノルマを達成しない場合でも処罰的な評価は避けるべきです。もちろん目標を立てて達成した場合の成功報酬はあってよいと思いますが、逆の失敗罰則は組織が壊れる原因となります。ノルマという言葉がもし(隠語的にでも)職場にあるのでしたら、心配な兆候ですので気を付けましょう。