orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

東京はRPA天国になって人がいなくなる・・のかもしれない

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混雑を極めた4月が終わる

4月は本当に東京またはその近辺に人が増殖する季節でした。きっと新入社員研修や新入生のオリエンテーションなどで4月だけ人口が増えるんでしょうね。電車は混みまくって毎日のように遅延が発生していました。特に、駅で通いなれていない人や土地に慣れていない人がたくさんいて、駅行内でも明らかな導線で待ち合わせをしたり、スマホ見て歩くの危ないやろという場面でのそのそ歩いて列が澱んだりとなかなかの大混乱ぶりでした。

平日としては最終営業日だった4月26日には、街を歩くとスーツケースを持った人がいっぱい歩いていました。きっと一か月の研修を終えて地方に帰る人だろうなあ。3月はすごく東京近辺も空いていたのでこうやってだんだん3月に向けて地方へ分散していく。これを毎年繰り返しているんだなあという思いを強くした次第です。

 

三菱UFJが本部人員半減

これからの東京を象徴するような記事。

 

www.nikkei.com

三菱UFJ銀行は2023年度までに、本部に所属する社員数を半減する方針だ。業務の自動化システムなどを導入し、余裕ができた人員は営業部門や海外の拠点に異動させる。長引く低金利や異業種の参入で事業環境が厳しくなっており、人員配置を最適にして収益力を高める。

 

記事の中身は有料記事なので、中身は購読するか月10本までの無料閲覧を使ってください。まあ結局はRPAで人減らししたら全国各地もしくは海外の営業部門に振り分けるっていうことです。

RPAの威力はもう語りつくされているとして、この話は銀行に限った話ではないです。明らかに東京に残れる人が今後選抜されていくという先行きを強烈に暗示しています。東京は明らかに人が減りますよ。よく東京近辺を歩くことが多いのですが東京はたくさんの本社機能を抱えています。特に4月は地方からも人が集まってくるので道もたくさんのビジネスマンで大賑わいでした・・。がこれも過去の話になる可能性があります。

東京に生活拠点がある人は今後戦々恐々だと思います。仕事の奪い合いになりますよ。しかも全国/世界規模の企業となれば異動先は東京ではありません。こうなると結局は退職せざるを得なくなり、それを人材不足の中小企業が吸収できればいいのですがそもそも大企業と中小企業では給与格差があります。

希望の新卒採用ですら、どんどん枠が狭くなってきているのがわかっています。

 

www.nikkei.com

三菱UFJ銀行は2020年4月入社の新卒採用数を前年比45%減の約530人とする方針を固めた。06年1月に旧三菱東京UFJ銀行が誕生して以降で最も少ない。長引く低金利に加え、インターネットバンキングの普及など経営環境が大きく変わり、店舗網の運営に必要な人員が減っていることなどに対応する。

 

新卒枠も半減・・本社機能も半減・・これは銀行だけの話では決してないのです。繰り返しますが、東京に人が溢れている状況は時間の針をどんどん進めていくと、様変わりする可能性が本当にあります。以前、下記の記事を書きましたが、もう全くフィクションの世界ではなくなってきたように思います。

 

www.orangeitems.com

 

中小企業にチャンスが訪れる可能性

私が仕事をして思うのは下記のことです。

「社員の人数と、利益額が比例しなくなってきた。」

正直RPAという技術は、ITを知らない人が業務を自動化するためのものです。バッチシェル等で対応できることが多く、RPAを使わなくてもかなりの分野で自動化が可能です。オープンソースで業務ソフトウェア顔負けのアプリケーションも手に入りますし、クラウドを使えば初期投資も不要です。特にHTTPSでAPI化しているサービスも多いので、大半の仕事が人手を最低限にできます。これはここ最近特に思うことです。人しかできない仕事なんて考えれば考えるほどそんなにない・・。

そうなると、利益を生み出すためには人が必要。いわゆる人月商売の感覚がどんどん陳腐化しているということは間違いないです。社員を多く抱えればその分売上・利益が増えていくというのはどんどん通用しなくなっています。今後成長するためには人材が必要、人財なんていう言葉が陳腐化していきます。もちろん完全に無人ではビジネスは生まれませんが、少数のコアメンバーのアイデアさえあれば拡大できる時代が到来しつつあります。

大手SIerと対峙していつも思うのは、お会いするとたくさんの人が来ることです。セクション制の弊害かと思いますが、担当によって人がばらばらなので一つの提案をするのに人数が必要になるんですね。結局「人月」も膨らむことになり金額が肥大していきます。一方で、中小企業はもともと人数が少なくセクショナリズムを持ち込む以前に、いろんなことを少ない人数で考えますので、だんだんと自動化範囲が広がると中小企業の方が小回りが利くようになり、かつ人件費が少ない分提案が有利になります。一方で、そんな様子がわかっているので、人を増やすのに慎重になります。これ、人はあんまりいらないんじゃないか・・と。

そういえば、最近のドラマ「私、定時で帰ります。」を見ていますが時代遅れ感を感じています。定時までに仕事が全部終わってしまってヒマなのに利益は十分確保できている、みたいな事例が続出する職場が今後問題になるような気がしています。「私、定時になっていないのに仕事がありません。」の方が問題化するのではないかしら。

たくさんの社員を抱える大企業自身が、社員自体がビジネスの足かせになるというのが時代の変わり目を感じます。

 

営業がリストラ先に選ばれる理由

今回の三菱UFJにしても先日の富士通の件にしても、リストラの転属先が「営業」になっています。営業はひとりひとりに数字を持たされてそれを達成しなければ、会社にとって不要と判断されやすくなる仕事です。逆に営業全員が達成すれば会社は売上・利益が確保できます。営業は数少ない人月商売だと思います。もし売れるならば、売れるものがあるならばその通りです。逆に達成できなければ能力不足、努力不足を指摘されどんどん会社に居づらくなります。

間接部門だと真面目に仕事をこなしていれば安定していられましたから、非常に厳しい話です。しかも今後営業の人数が増えるということは、社内での競争も厳しくなるということを示しています。

営業への転属を拒否して退職するというのも選択肢としてはよくわかります。

 

まとめ

ということで、俯瞰的に世の中を捉えていくと、いかに働くかというのは非常に戦略性が求められるということがわかります。今、銀行の本社機能に飛び込むと危ういのは日経の記事になったほどなのでリスクがあるというのはわかると思いますが、一方でじゃあ何なら安全なのか。少ない人数で大きな利益を生み出せるようになった時代に、じゃあその少ない人数の一員になるためには何をすればいいのか。

RPAがたくさんの人々の存在を間引きしているこの時代に、働くということの定義をそれぞれの人々が考え直す時期に来ていると思います。