RPA女子プロジェクトが順調に勢力を拡大
一年前、RPA女子プロジェクトという話を皮肉った記憶があって。
RPAをネタに女性だけに派遣のスキルパスを作るなんて、なんと男女平等実現に逆流しているのかと感じた次第です。
ところが、このRPA女子プロジェクトは順調に勢力を拡大していて、なんだかいい話みたいになっているそうです。
「今回のRPA女子プロジェクトは、昨年(2018年)5月、RPAテクノロジーズ、MAIAに加え、V-CUBE、人材紹介業のWarisの4社が協力して起ち上げた。『復職したいが、家族環境などの問題でなかなか復職できない』と考えている人材が、活躍できる場を作ることを狙い起ち上げている。RPAは企業のバックオフィスや日々の業務効率化を狙ったものだが、実際に働いた経験から、『ここを自動化すれば作業効率があがる』といった時間を持っている女性が多く、RPAパーツ開発、サポートの大きな力となっている」
もはや、成功事例のように見えてしまっていることから、一歩引いて、この話が誰得なのか考えてみたいと思います。
30年前のオフィスの様子
WordもExcelも使えないおっちゃんが部長や課長をやっていて、彼らは日中ずっと会議をやっているか、喫煙ルームでごにょごにょやっているか、もしくは机の上で新聞を広げて読んでいたり、書類のチェックをしていたりします。書類は、派遣の女の子が作ってくれた書類なのですが、いろいろと添削しますが赤ペンです。
そのころは、MOUS試験(今はMOS試験)というマイクロソフトのオフィスの試験があって、これを取ることが活躍の近道だと言われていました。「お、今度の子、ワードもエクセルも使えるんだって、やるね」なんて。おっちゃんはパソコンどころか、ブラインドタッチもできないので、まあ需要と供給が一致していたということですね。
今や、部長や課長がワードやエクセルが使えないなんてありませんよね。使えない世代と言えば経団連の会長くらいの大物だったわけですが、それももう去年で終わりました。
派遣労働が拡大した1990年代中盤と呼応するように、1997年にMOUS試験が始まったというんですから、これからはワードとエクセル。遅れてパワーポイントもやってきたわけですが、過去を振り返るとそんな状態だったわけです。
そして今、パソコンが使えるのは、派遣社員にとって何のアドバンテージでもないということですね。それで、派遣会社が目をつけたのがRPAということになります。
RPA女子は誰得か
今後、使えるかどうかわからないRPAスキルを正社員に学ばせるのはまだリスク。とりあえずRPAが使える派遣を雇ってみて、様子を見てみよう。
若い女性がオフィスにいれば職場も華やぐし(ここは私が嫌いな考え方だけど)・・ということで需給が一致したということなんでしょうね。
で、RPAは今後、ワードやエクセルと同じように必須スキルとなっていくとします。
RPAを知らない部長や課長・・、この人たちは今のうちは上段に構えているのですが、結局若い人から順番に覚えていって、「老害」扱いされるわけです。部長ってRPAできないんですね、私でやっときますよ〜、なんて言われてどんどん仕事を部下が持っていって、気がついたら肩たたきされる。
例えば今の時代に、パソコンができない上司があなたの上についたらどうしますか。早く職場を去れ、と思いますよね。全く同じことがRPAでも起きるということです。もちろん全ての人々が駆逐されるわけではなく、一緒にRPAを学ぶ頭の柔らかいベテランがむしろのし上がっていったりします。今の出世している人はみんなワードエクセルパワーポイントが出来て当たり前、ということですね。
・・・ということで、30年前起きたことが、今RPAに乗り替わって起きている。そんな解釈でいいのではないかと思います。乗った人が得をするし、乗らない人が損をする。
トッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)とトッパン・フォームズ・オペレーション株式会社(TFO)は9日、UiPath社のRPAツール「UiPath」の研修サービスを、4月22日より開始すると発表した。
こんな研修サービスも始まったし、ほんと似たような状況ですよ。