orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

とりあえず騒いでみるという選択

 

何かのプロジェクトで、色んな要因で先に進まなくなることがある。全権を自分が握っていたらそんなことは起きないのだが、世の中そうはいかない。権限が分散していると特に起こりがちで、あっちがやってくれないから進まない。進まないからこっちが進まない。不運な積み重なりが結果、何も進まない状態を生み出してしまう。

不運にもその真ん中に自分が居てしまったとき、権限がないととりあえず待つだけ、になってしまう。そのときに感情的に「ちゃんとやれー」と即反応してしまうと、「堪え性がない人間」認定されてしまうのでそれはしない。

一方で何もしないで待っていると時間だけが経過して状況は悪化してしまい、プロジェクトが発火してしまう可能性が出てくる。ある程度、関係者が誰も何もしないことを確認したら、私はたまに「とりあえず騒いでみる」という選択をすることがある。騒いだら、関係者はこちらを見るだろう。そして、問題があることを認識し、対応しようとするだろう。しなければ権限を持っている資格がないぞ関係者。

騒ぐにしたってテクニックは必要だ。今の最新情報を事前に集める。何が新しくて何が古いか。誰が何をやっていないから止まっているのか。何もやっていないわけではなく成果が出ている場所もあるぞ。全ての情報を集めつつ整理し解像度を高くしておく。

騒ぐときには一瞬で、今はこれこれこうなっていて、誰が何を担当していて、誰が止まっているから、私は困っているんだ。それ全体のストーリーがわかりやすくないと、単なる騒いでるヤツになる。失敗すればプロジェクトから追い出されかねない。

このタイミングは、プロジェクトの主導権を奪うチャンスとして機能することもある。結局のところプロジェクトマネジメントが弱いのである。タスクや課題に優先順位をつけて然るべき担当者に急いで対応させる、ということをやらないと、複数のメンバーでチームで動く仕事はほとんどうまくいかなくなる。次の工程に向かいたいのにそのための準備をしてくれない別のメンバー。それぞれが融通しあえる関係ならいいのだが、いろんな理由で難しくなるときにこそ、プロジェクトマネージャーが機敏に動かなければいけないタイミングである。

プロジェクトマネージャーに相談するのが本筋なのだけど、そもそもの仕切りがうまくいっていないのにそれを本人に伝えたところで好転しない。それより、こうやって情報をまとめて、こうやって動いて欲しい、ということを暗に伝えるべく、いったん騒ぐ。騒ぎが起こったことでプロジェクトマネージャーが変わってくれるならそれでいいし、変わらないのなら半ばこちらでハンドリングするよ、というメッセージを送ることになる。

これはもう駆け引きでもあるので、騒ぐ以上は負けてはいけない。騒ぐほどのことはあるよね、とチームにわからせないといけない。だからこそ、慎重に検討しやるときは大胆に動く。もはやうまくいっていないしその原因も明らかなのだから、それを実証するためのロジックをしっかり組み立てることが重要となる。

過去私も何度かやった手だ。やるとしてもプロジェクト一回につき一度、かな。これで駄目ならもう諦める。どんなに非効率でもそれは理由はわかっているよね皆さん、と黙ってても伝わるから。

私も気が長いほうじゃないので、いつもこの手は最終手段として持ち続けている。じゃないと、やってられない、のである。