orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

マネジメントは自由に使われ過ぎている言葉

 

マネジメントと一言で言っても、何を管理するかで話が違ってくる。

プロジェクトを管理する、プロジェクトマネジメント。

人を管理する、ラインマネジメント。

場合によっては、資産、コンプライアンス、品質、どこにもマネジメントと言う言葉は宿っている。

マネジメントをやる人を、マネージャーと呼ぶ。

しかし、会社のマネージャーは、至ってラインマネジメントだと思う。日本語で管理職と言ったほうが状態に一致している。

 

ところが、マネージャーに、人の管理以外を押し付ける会社は多い。プロジェクトも管理する。資産管理もコンプラも品質管理も全部やってね、みたいなマネージャーは結構世の中に多いんじゃなかろうか。

このいくつもあるマネジメント、利益相反する場合がある。プロジェクトを完遂することを目的にすると、メンバーには厳しく接し、仕事を完遂させる義務がある。あなたが穴を開けたら、誰かをアサインしないといけなくなるんだぞ、というコントローラーの役割を担わないといけない。ところがラインマネジメント的な考えだと、厳しく追及するとメンバーのメンタルが悪化するかもしれない。モチベーションが下がるかもしれない。現在の評価と仕事内容が一致しないかもしれない。

高い品質を追いかけたいけれど、そうするとコストが合わない。ある程度妥協するか。しかし品質管理の側面だとそれは許されない領域もある。

何を管理するかによって、優先すべきものが変わってくる。

なんでもかんでも、複数の管理を一人のマネージャーに取り込むと、同じ人が、日に日に違うことを言うよ・・と、混乱を組織に吹き込むことになる。

 

私自身は新規部署を、一人運営からプレイングマネージャーとなり、そしてマネージャー的なポジションも経験し、そして本記事のような矛盾までたどり着いた。

適性的には、プロジェクトマネージャーやプレーヤーの能力のほうがあったので、どうも人の管理のところでつまづくことが多かった。最近、専門の「マネージャー」を付けてもらった。え、私でも管理はできるよ!と思っていたけれど、マネージャーの仕事ぶりを見るにつけ、ああ、私の思ってたマネジメントはプロジェクトマネジメント寄りだったなという発見が色濃い。

何と言うか、プロジェクトの成功のためには手段を選ばず、という強い気持ちが、たまに、メンバーを疲弊させるのだ。鬼軍曹が獅子奮迅で無双している様子は、平常の組織運営とはまた異なる類の状態だ。鬼軍曹が組織を束ねるより、人心掌握するマネージャーがまとめたほうが組織が落ち着く場合も多い。

難易度の高いプロジェクトに挑む場合はいいのだけど、会社はプロジェクトよりも長生きするし、1つのプロジェクトが終わっても次のプロジェクトがある。

プロジェクトの完遂に、そこまで心血を注がれちゃ、従うメンバーもへとへとになってしまう、のかもしれない。

 

だからやっぱり「マネージャー」という単語が、相当人々を混乱させている。マネージャー自身も混乱する。何のマネジメントをするかをはっきりさせた方が良いのと、相反する複数の対象を、一人でめんどう見ない方が良い。

新規事業で人が少ない場合はしょうがないが、ある程度のビジネス規模になったら、管理単位ごとにマネージャーを適性に応じてアサインすべきだ。相反する部分については、都度調整する。そうでもしないと、例えば私は、プロジェクトマネジメントやプレーヤーに集中できないのだ。誰彼が不平を言ってるだの、モチベーションが下がってるだの、知らんのだ(これが良くない、と言うのも知ってる)。

ここにきて、マネジメントの基本みたいな事例を、身を持って知るとはね‥と思いつつ。一番できることを、日々の仕事にするのが一番効率も、気持ちもいいね、とも思う。一人で何でもかんでもやる、は不正解なのかもしれない。