世の中には、WBSを作らせた後、個々のタスクについて「やったか?やったのか?」「やってない?なんで?」を問い詰めるだけの仕事があるんだなと理解した。
— orangeitems (@orangeitems_) October 5, 2023
多分タスクの妥当性は気にしてなくて、fromとtoの予定と実績が全てって様子。
多分そこはAIに取って代わられるね。それだけなら。
その仕事には目的があります。期日があります。達成するために必要な人が集められます。必要なお金があり、必要なモノを買いそろえます。目的を達成するために必要なタスクを並べ、依存関係を表現します。タスクは見やすいレベルまで分解することが望ましいです。
この一連の出来事を「プロジェクト」と呼びます。
プロジェクトに実施責任を持つ人をプロジェクトマネージャーと言い、いろんな想定外の状況が発生してもいいような準備までしている人です。プロジェクトはたまに、危険にさらされる時があります。必要な人物がいなくなったり、手に入るべきものが入らなかったり。また、思っていた通りには動かず別の手段を考えなければいけないということもあります。プロジェクトマネージャーは、危機のときにメンバーを手伝いに行くのではありません。何が足りないかを察知したら素早く調達しにいくのです。人なのか。お金なのかモノなのか。調達するための補正予算を然るべき人と相談し取り付けます。プロジェクトマネージャーの最終目的はプロジェクトを完成させることです。そのためには、会社の統制の範囲内で何でもやるんだぞ、という人です。
プロジェクトリーダーはプロジェクトマネージャーにぶら下がります。個々のタスクについて専門性を持ち、スムーズな実施を目指します。こちらはメンバーと近い存在であり、メンバーが生産性高く動けるように指導します。リーダーがリードしなければいけないプロジェクトもあれば、簡単なのでほとんど何もしなくていい、報告だけすればいいみたいなこともあります。リードとは率先するということで、プロジェクト完遂のために重要ないくつかの役割を任されることが多いです。
プロジェクトは、完成すれば解散します。プロジェクトメンバーは同じ会社だけに限らず、顧客やパートナーなど、様々な関係者が集って体制を組みます。この体制に不備がないかプロジェクトマネージャーは始まりの段階で考えます。体制不備は、たいていプロジェクト頓挫の遠因となりますから。
プロジェクト、という概念を知ったのは社会人になってからですが、誰かから習ったわけではありません。いつの間にかプロジェクトメンバーにされ、何度も経験しているうちにプロジェクトとは何か。役割とは何かを知りました。とてもよい仕組みだと思います。社会はプロジェクト、と言う単位で動いているんだということは実感しています。
ところが、この仕組みを逆手に取り、スケジュールの管理をすることがマネージャーの仕事だ、と勘違いするプロジェクトマネージャーもいます。この場合はプロジェクトマネージャーとも呼べないかもしれませんが。個々のタスクに対する関心があまりなく、予定と実績ばかりを気にするのです。そのタスクの一行で何をするかわかってるのか。とても心配になることがあります。
予定と実績を気にするあまり、進捗確認会議が多くなります。そのためスケジュール表はいつもとてもきれいなのですが、私が指摘したいのは、
想定外のことはスケジュールに書かれていない
ということです。スケジュール表をよく有識者が熟読すれば、このスケジュールじゃここに危険があるよ、ということを指摘することができます。しかしスケジュール管理をするだけ、の人だともうそこに書かれている「日時」だけが全てです。そして進捗率は何%だ、と。遅れてるか早いのか、の違いしか指摘できません。
いや、それで遅れた時にちゃんと、人・モノ・金を調達してくれればいいよ、と思うかもしれませんが、これは違います。将来のリスクを日々見積もることができないと、いくらかかるかわからないのです。
ですから、スケジュール表はプロジェクトの全てではありません。タスク自体をドリルダウンし、何を意図しているのかをプロジェクトマネージャーは深く理解する必要があります。
私は普段は、スケジュール作成から実施まで全部を単独でやってしまうこともあり、今まで疑問を持ってこなかったのですが、ある日現れました。スケジュールだけを管理する役割があることに。
話が大きいと、たくさんのプロジェクトを束ねてオーケストラレーションして、一つの出来事を作り上げる役割も存在するのでしょう。しかし、私はそこにはいたくない、な。末端で何が起こっているか理解することができない立場で、マネージメントするのは辛すぎます。
スケジュールが読めず実装しかできない人は、問題はあると思います。
でも、実装ができずスケジュールしか読めない人も、問題はあると思います。
いずれ、それだけ、ではAIが取って代わります。
そういえばそんな話、昔、してました。