orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

要約するな整形するなわかったつもりになるな

 

文章要約自動化って、私が覚えている限りMicrosoft Wordが搭載したのが最も古いが、研究自体はもっと昔からあったんだと思う。ただ、AIが最近出てくるまでは一般化しなかった。きっと品質が悪かったんだと思う。ちゃんと読んだ方がいいと頭が判断したんだろう。

ところがAIというかChatGPTの勢いがすごくて、えらく正確に要約してくれると評判で、だからこそみんな使うようになって来ている。長文をAIが理解してそれを短縮するとともにわかりやすく説明してくれるので、早晩に誰しも使うことになるのだろう。Google検索だって最近、検索結果の要約を出し始めている。

ただ、私が思うに、「そんなの全部読んだ方が早いし正確だし勉強になるんじゃない?」だ。何で人間そんなに楽したがるのか理解ができない。時間の節約、最近で言う所のタイムパフォーマンス、だろうか。

まあ例えば、私のブログをAIに読み込ませて要約したんだけど、結構めちゃくちゃな回答を返してくる。不正解だ。著者が言っているので間違いない。でも、文書解析のロジック的には、今の段階ではそういう答えがでるんだろう。そうやって疑心暗鬼になっている時間が相当もったいない。

もともと自分の中に知能があるわけだから、それを使って学習すればいいわけである。

あの議事録を取るのを自動化する、というソリューションもどうかと思う。議事録を取るのは言った言わないを残すためだと思うけど、それなら言う人がデジタルで残せばいいだけであって、わざわざ第三者が要約したり整形するのも二度手間だと思う。発言者自身が作るべきだ。わかってるんだから。

本来は、無駄な仕事は消せばいいんだけど、なんだかAIに任せることが良いみたいになっている。いやいや無駄な仕事はAIがやっても無駄だし、AIもエネルギーを使うので資源の無駄である。将来は、AIにやらせないことがコスト削減になるのかもしれない。

今のところAIができることを無尽蔵に増やせば、人間の可能性が広がると信じられているところがあるけれど、むしろ人間自体の可能性を低く見積もっているとも思う。人間はAI以上に優秀だ、と考えるともしかしたら人間は、もったいないことをしているのかもしれない。とりあえず人を集めちゃって、学習させれば(機械学習ではなく人間学習)何かクリエイティブなことをやってくれるかも、しれない。

最も重要なことは、AIも、人間も指示を出すときは同じ原則がある。無駄なことをやらせるな。できることと、やって価値があることとは乖離がある。AIでできるでしょ、じゃないんだ。できたところでしょうもないなら、資源の無駄なのは人間と同じだ。

AIでやると生産的だと信じられている、現在の状況を横目で見ながら、なんとなく基本は同じなんだと思う。AIの可能性と人間の可能性は近しい部分があり、かつ人間の方が知性としては現時点で相当に優れている。AIの可能性を活かすことを考えるより、今いる人間の可能性を開発する方が確実である。その方向でAIも含めて考える。AIをよりよく活かす。活かせばいいってもんじゃない、である。

要約もいらない。整形もいらない。人間の知性をもっと活かそうぜ、である。