orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

インターネットが無かった頃のサーバー構築作業

 

ある企業ビルの空き部屋に閉じ込められてさ。3日間くらいかな。本当に空き部屋で、机もイスもない。ただただ広い部屋。その床に物理サーバーを10台くらい並べる。ラックマウント型、サーバーラックに納める平べったい形ね。ディスプレイは借りたけどサーバーごとには無かったので、数台を使いまわす形だった。

床置きだったから、人間も床に座る。作業してて腰が痛くなる。もうそこからおかしいよね。

バラバラに届いたパーツ(メモリーやらディスクやらRAIDカードやらネットワークカードやら)をまず組み立てるところから仕事だった。

その次に、電源を入れRAIDの設定をした。ここから個人のパソコンとは一線を画し、冗長化設定を行っていく。まあ基礎的な知識さえあればできることだとは思うけど、画面は英語だし、何やらオプションも奇妙なものばかりで、なかなか面食らう。今やってもそうだろうな。

その後、OSをインストールする。OSのインストールは2023年の今、すっっごく簡単になったと思うがその頃は、相当に難儀な仕事だった。冗談抜きで。

上記でも書いたけどRAIDカードをまず認識させ、そこからディスクにつなぎ込む構成なので、まずRAIDカードをOSが認識しないとアウト。ディスクが見えない。

で、「ドライバ」が必要になる。OS用のRAIDカード用ドライバをインストール時に読み込ませることによりディスクが認識され、OSがインストールできるようになる。

このドライバ、付属の「フロッピーディスク」あるいは「CD-ROM」に収録されてるんだけど、作業をやってみたら認識しない、なんてことがある。それじゃインストールできない!。

でも、ある企業ビルに閉じ込められているからインターネットにもアクセスできなくて。モバイルインターネットと言えば、当時はAir H''というPCカードを刺してPHSでダイヤルアップする類のものだったけど、メール受け取るぐらいしかできなくて。

どうしたと思う?。このままじゃ空き部屋で干からびてしまう。

電話したのさ、自社オフィスに。

そしたら自社オフィスの技術者が、内容を聴いてインターネットで調べてくれたり、マニュアルを調べてくれたり、もしくは企業のサポート窓口に問い合わせしてくれたりして、その結果をメールで教えてくれてた。

 

思い返してみると相当に働く環境が悪くて、生産性もかなり低く、よって残業当たり前というか、休日出勤上等みたいな業界だった。当時の人たちがこのままではいけないと、いろんな工夫を積み上げて今のクリーンな業界を作り上げたことは本当に素晴らしいと思う(今も現場によってはクリーンではない場所もあるんだろうけれど、法律も今は厳しいからね)。

昔は、かなり物理的な制約が強かった。インターネットに自由につなぐこともままならなかったので、例えば「総当たりで当たりを探す」みたいな方法すら取られた。ほんとそういうのに巻き込まれるのが苦痛な時代だった。

今やAIが持てはやされるけど、今のGoogle検索ですら人間の能力を十分拡張したと思うし、色んなハードウェアやソフトウェアが賢くなって、素晴らしき時代だ。