自分にしかできない作業
自分にしかできない作業ってありますか。
高度な作業というと聞こえは良いですが、掘り下げてみれば、自分しか経緯を知らないからってことが多いです。いろんな経緯があってそういう設定になっていて、それを踏まえないと次のことができない、みたいに過去の依存関係があって今元気に動いている、みたいなことがよくあります。
そこに、経験の浅い人が入ってって正しくやりなさい、と言ってもそりゃわけわからないですよね。何かルールがありそうだけどルールが明文化されているわけじゃない。設計書やパラメーターシートは一通りそろってはいますが、なかなかルールまで把握するのは時間がかかります。
色々考えると自分がやんないと、面倒なことになるかも、と言うことでついつい自分でやっちゃいます。でもこれって、永遠に自分がやる羽目になるのでどうにかして引き継いだり、経緯をわかってもらわないといけないですよね。
教える、は意外とまどろっこしい
部下が一人だけなら、その一人に伝えたり、一緒に作業したりすればいいからまだいいです。三人、四人になったらどうでしょう。全員作業ストップして、こっち来い、みんな見て、ってやってたらチームごと毎回ストップすることになります。じゃあ特定の人に伝えようか。でもじゃあ誰が適任なんだ?みたいなことに陥ります。そうですね。誰かに正しく伝えるって意外と大変なことなんですよ。
しかも、伝えたとして正しく伝わったって誰が保証してくれるのでしょう。あとで試験でもやりますか。そんなの仕事じゃないですよね、学校じゃないので。
最近悟ったのですが、教える、と言う発想自体を捨てなければいけないです。
情報を開示せよ
もうしょうがない自分でやる、としても、自分がやった内容を、チームに情報共有することをセットでやるようにしました。誰かに向かって伝えるのではなく、手順書でもチャットでも何でもいいので、とにかく、こういう理由でこういう経緯でやりました、と宣言する。
第三者が見て、ああそういうことなんだ、と理解できるようにする。ただ、誰がそれを拾ってくれるかはコントロールしません。少しでも自分でできることを増やしていく態度は、部下に求められるものです。そしてそれを率先してやっていく人は成長して、私しかやれないことを次回部下ができるようになるかもしれないし、私の助言すら要らなくなるかもしれません。
少なくとも成長したいという部下から見れば、情報開示さえしてもらえれば次は自分でやろうという気にはなると思います。
それを誰がやるか、というより、誰もやらないのであればその組織、あなたが直接教えてああだこうだ指示したっておぼえも悪いと思います。モチベーションが低い場合は、どうにもならないんです。教えたけど全然おぼえてくれない、なんて体験は誰しもあるでしょう。
教えなくても部下は成長し、自分は一人で仕事がまわる
教える、という発想を抜け出すことは重要です。教えるの主語は上司です。上司が動かないと部下が育たないというのは、これは非常に非効率なことがわかりますか。上司は仕事を全部知っているからこそ、部下に時間を使っていたら自分の仕事ができなくなります。
そうではなく、自分しかできない仕事は自分が行いつつ、部下でもできることは積極的に部下にお願いすることです。そして自分しかできないことも、積極的に情報開示して部下と共有し、場合によってはチャレンジとして部下が実施します。この際、手厚いサポートをしてあげてください。実施するのは部下ですから、主語も部下です。サポートすればするほど感謝されるでしょう。教える、との違いはここですね。
ぜひ、自分しか持っていない情報は、部下に情報開示をしましょう。