orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

会議で黙っている人をぞんざいに扱ってはいけない理由

 

たいていの人は、何か気になることがあっても黙ってやり過ごす。特に日本人はこの傾向が強い。会議があっても淡々と報告者の報告を聴いているだけで、よほどのことがないと質問しない。反対意見を言うならよっぽどのことだ。だからこの国には、言ったもん勝ちということばあり、イニシアティブを取りたければ空気を読まず発言することが求められる。

この暗黙のルールにいち早く気づいた私は、会議の場で積極的に発言することを覚えた。黙ったもの負け。だからこそ当たり前のことですら発言し、当たり前のことを確定させる。そうじゃないと、たまに全く非効率なことを平気で通してくる人がいるので、早め早めに発言する。大抵の人は黙っているので、自分が思ったとおりに物事が決まっていく。

日本って、みんな黙ってるからやりやすいな、と思ったこともある。黙っている人のことなど考えず、どんどん決めてやれ。そうしたところ、困ったことになったことがあった。

会議で不満を大声で演説する人が現れた。会議じゃなくても1on1で抗議する人もいた。何しろ思っていたのと違う。なぜ、黙らないようになってしまったのか。

それはきっと、「黙っている=賛成」という前提が崩れたからだ。みな黙ってはいたけれど、反対や不満の意思はあった。ただ、私はそれを賛成とみなした。言わないやつが悪い。不満があるなら言えばいいのに、と。そしたら、それを察知して皆が不満を叫び始めたという理屈だ。

会議の場で皆が黙っているときに、皆は賛成だと思ってはいけない。

黙っていても実は反対や不満を持っていることがあり、それをどう拾うかが鍵となるのが組織運営だということを、受け入れなきゃいけない。

そんなに気を遣わなきゃダメなの?と辟易するかもしれないがそれが現実だ。皆、ほんとのところはどう思ってるの?。だから1on1が流行したのだ。黙っていればみんな賛成なら、話は速い。しかしある日急に反乱を起こしたり辞表を突きつけたりする。困った生き物だ、日本人とは。

組織のイニシアティブを取りたいときに積極的に発言するのはいいが、無言の参加者たちの扱いについて決して雑に扱ってはならない、ということだ。無言でいてくれたことの裏返しとして、「実はどう?」と伺っていかないといけない。

これが私がマネージャーの仕事が大変だと思う理由である。黙ってるやつは無視でええわ、言わなきゃわからないでしょ、なんてさっぱりした態度でいても、何の解決にもならない。

できるマネージャーの様子を見ていると、メンバーの会議以外での発言や態度などをよく見ているし、より砕けた場面での発言の内容をつぶさに評価している。よく気が回るなと思うが、それも一つのスキルだ。リーダー気質でメンバーを率いて高みに連れて行く役回りと、マネージャー気質でメンバーの様子を伺い小さな不満を汲み取り、言語化して大きな問題に発展しないうちに対応しようとする役回り。ほんとに対象的であるが、よく一緒にされる。おそらく両方一緒にやるのは無理である。役回りが得意なもの同士協力しあい、組織をまわしていくのが得策だな、と思っている。