orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

プレゼンテーションスライドはこれからどう作ればいいのか

 

パワーポイントでこれまで日本人がよく作って来たテンプレートがもはや通用しないのではないか、という話の反響がかなりあったので、補足しておきたい。

 

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終わったのであれば、何が始まったか、ということだ。

世界レベルでの最先端を知るためには、Appleの年次イベントに限る。

 

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これを繰り返し見たらわかると思う。

とにかく、スピーカーが、聴衆者に目を合わせているということ。Look at Viewerである。目をそらさない。日本のプレゼンでこれが可能か?

3つのポイントをスライドに書いてしゃべる旧来のスタイル、スピーカーから目をそらしてしまうことになる。

このスライドではスピーカーが現れていない時は「動画」を見せている。動画が視聴者に与える情報は文字を凌駕するということである。

もしスピーカーの裏のスライドに文字が現れるとしても、シングルセンテンス。1行だけの英文が大きな文字で白背景に黒。それを「背景」としてスピーカーが念押しをする。もしくは、キレイな写真が裏に表示されているだけ、である。

 

プレゼンの最先端が導入されている例が他にまだある。Nitendo Directの例である。

 

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こちらも、スピーカーが話すときは赤背景。そして動画。そしてスピーカー。話をする人は、必ず視聴者と目を合わせ、それ以外の情報を出さない。

情報は動画で知らせることとし、文字を極力表示しない。表示するとしてもピンポイント。

 

どうしてプレゼンテーションはこうなってしまったのかな、と思ったけど、それはコロナ禍の期間、そしてYouTubeの影響が色濃いと考える。

ちょうどコロナ禍の前、2019年のiPhone発表イベントを見てみよう。

 

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当時は当時で最先端でおしゃれだし、何が今と変化があるか。

一番大きな変化は、2023年のiPhoneイベントはメタバース、仮想空間に視聴者がいるという建てつけである。2019年は、ホールで行っているプレゼンを録画している。スピーカーは、ホールにいる聴衆者に向かって話しかけている、のである。目線が合わないでしょう?。

なぜ4年でこんな変化が起きたか。それはコロナ禍でたくさんの人が自宅の中で過ごさざるを得ず、多くのイベントが中止になったからだ。そのため、オンラインイベントが中心になって、どうやって世界の人々に上手く伝えるかということが磨かれた。

その結果、プレゼンは変わった。動画でどれだけダイレクトに人々の心に伝えるかということについて、様々な発見があったのだ。そこで培った技術の最先端が、昨日のiPhone 15発表イベントにつながっていると思う。

ただ、これはAppleやNitendoが発明したことじゃない。YouTubeでたくさんの人が動画を作り、どういう動画が見られるかを研究し、たどり着いた結論であると思う。

 

・スピーカーは視聴者の目を見てしゃべる

・スピーカーのおしゃべりの邪魔になる文字情報は極力排除する

・スライドではなく動画を見せよ

・動画がずっと続くと視聴者は飽きるのでスピーカーに短時間で戻すこと

 

この原則はリアルプレゼンになっても引き継がれると考えるべきだ。

もちろん、聴衆に向かって行うプレゼンは、聴衆を見ればいい。聴衆と目を合わせよう。

今までのプレゼンはしゃべる内容を全部スライドに書きすぎた。それを読んでいるスピーカー。これでは、視聴者にうまく伝わらないのである。

つまり、スライド単体で存在し得るので、スピーカーが話すパワーを使えない。

人が誰かと話をすると、その人に信頼感を持つ。そのパワーを最近のプレゼンははっきり使おうとしているということを肝に銘じておきたい。