orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

相談に乗っていたはずなのに、何も提案しないまま解決してしまう件

 

何か問題が起こったとする。

その問題について、誰かから私に相談をされたとする。

私はその問題がどんな内容なのかをまず知ろうとする。解決を思い浮かべない。情報が必要だ。

どんな仕組みでその問題が発生したのか。簡単な仕組みなのか。それとも複雑な色々なことが重なり合っているのか。また、時系列も知りたい。何もなかったときから今に至るまでどういう流れなのか。登場人物は誰?。

また、もしその問題を解決しないとすれば、誰が困って、どれくらいの被害になるのか。放っておくと更にどんなことが起こるのか。

色んな情報を探った後に、じゃあ解決法を考えようとなるが、それも1つだけじゃない。こういう解決法、ああいう解決法。問題の当事者が何を望むかによってどれを選択するかは大きく変わってくる。

様々な対策を検討し、それぞれどんな未来かを想像する。できるだけたくさんの種類を考えたほうがいい。未来は1つだが、何か選択肢を迫られたときに、一度想定したことがあれば冷静に対処できるからだ。

どうして色んな事が起こっても冷静に対処できるだろう、という人の頭の中は、たいてい、想定しているのである、いくつかの様々な未来を。

 

という問題の解決方法は、きっと私は得意中の得意だ。ビジネスでの経験なのか、性格上のものなのかわからないが、ほぼ上記の対応をしている。

だが、私がおそらく一番苦手な方法がある。それはこうだ。

 

**

 

黙って相手の話を聴く。

決して相手の否定をせず、相手の言うことの腰を折らず、ただただうなづいて、たまに相手の言ったことを繰り返す。

「そうか、そうだったんだね・・。大変だったね。」

そしてまた、相手の話をそっと聴く。

「うんうん、がんばったね。」

 

**

 

無理だ。絶対に自分の中にそんなプログラムがない。もし、これを真似しようとしたら、何か自分の中に別人格でも想定してモノマネしないと生み出せないのではないかな。演技でこれをやったら、自分自身が苦しくなってしまうと思う。だって、上記の方法、何も解決策を提示していないのだもの。

ところが、相談をしてくる人々のうち大半がこのパターンを求めている気がしている。そっと愚痴を聴いてほしい人のほうが多い。解決策など求めていない。それは自分自身がやるべきだと皆思っている。人に聴いてほしいだけで、別に解決してくれなんて思っちゃいない。

何度か、そのように思ったことがある。悩みがある。で、話を聴くわけである。情報収集だ。ふむ。それでそれで。なるほど。こういうわけですかな。ほー。

そのうちに、話し手に変化が起きる。もしかしたらこう考えたほうがいいかもしれないですよね。そうですよね。やっぱりそうか。うんうん。

あれ?、何も解決方法を提示していないのに、勝手に話し手が自己解決し出して、そこからは雑談が始まるのである。あれ、相談を受けてるはずだったのに何故。

大した解決法も提示していないのに、相談は終了。そんなことが何度もあるうちに、とりあえずハイブリッド的に、情報を聴くだけ聴いて、そこから解決方法が欲しそうだったら本気出すか、と思って生きている。

 

で、あまり本気を出す機会もなく、どうやら人間って、自己解決しがちな生き物なんだなと思いつつ、へーとかほーとか言って、やり過ごしているのが現状である。