最近、仕事ができそうな方がいらっしゃった。この方、どこまでできるのか、と試してみたくなった。どのように力量を測るのか。私は下記の4段階で考える。
レベル1:作業手順を細かく説明し、やって見せてから、やって頂く
まだ相手の力量を探っている状況。
思ったよりできないかもしれないし、職場にも慣れて頂きたいので、親切な感じで仕事をお願いして見る。
お願いしたことを、そのままやってくれるかどうか。
変な風にアレンジして危険なことにならないかどうか。
レベル2:作業手順書を提示し、やってもらう
依頼したいことと類似の作業手順書を見つけて、それを紹介しながら、同じことをやって欲しいとお願いする。
ただ、私はやって見せない。わからないところがあれば自分で調べる、と言う要素を入れながらやって頂く。
そうなると、指示内容には、手順書から読み解けない私の意図のようなものも発生するので、都度質問してくるかどうかも確認する。私の意図と外れたものができたら、時間がもったいないので、そのあたりの判断力も試す。
レベル3:やりたいことをお願いし、具体的な完成形は提示するが、やり方は任せる
だんだん難しくなる。具体的な手順書はない。でもやらねばならぬことがある。こんな状態にしなければいけないんだ。ただいくつか方法はあるし、他の方法もあるかもしれない。
クリエイティブさが必要になる。また、やり方は任せられたとしても、概要ぐらいは依頼主(私)にやる前に把握してもらったほうがリスクが少ない。
手順書がないということもあり、調査から入ることになる。どれぐらい時間がかかるかを読みながら、もしかしたら依頼が無茶かもしれないので、さじ加減を読むことが必要にもなる。
レベル4:具体的な完成形も提示せず、理想を言い、解決方法を考えてもらう
ここまで来ると「丸投げ」に近い。
考えて見えれば、結構私は、丸投げをされ続けられてきて、その度に解決してきた。これを私が請けるのではなく、人にお願いする。同じ形で。
私だけができないことなんて、おそらくないのだ。私でせき止めてしまうから他人に流れないだけだ。
自分がこの層の仕事を独占しては、部下が育たない。わざと、丸投げする勇気も必要なんだと思って、この仕事の頼み方をしてみることも最近増えた。
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だんだんと、抽象度が高くなっていく。
いきなり、レベル4でのお願いをすると、いくらできる人でも戸惑うので、1から順番に4に向かって難易度を上げていく。
言ってはなんだが、顧客こそ、いきなりレベル4で依頼をぶん投げてくる。顧客の技術レベルなんて関係はない。顧客はできないから我々にお願いしてくるのだ。それを、抽象度が高すぎて無茶振り、なんて言ったら、価値なんて永遠に出せないと思う。
どんな顧客にもレベル4で対応できるのが理想で、部下にもそうなれるようがんばって欲しい。
だから、私は、とにかくこの尺度にて相手の力量を判断し、仕事上での付き合い方を動的に変えていく。
仕事ができるできないって何だろう・・という問いの答えになっているかもしれない、と思い、言葉にしてみた。