orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

AIで調べたことをエビデンスにする人が激増して気が失せる

 

どんどんマイクロソフトがAIと人々の距離を縮めようとがんばってますよね。マイクロソフトのUIはいつもなんだか微妙で、まだ多くの人々がBINGやマイクロソフト製品からAIを毎日のように使うようにはなっていないように思うんですが、時間の問題かもしれないなとは思っています。

マイクロソフトがそれだけがんばれば他社も追随してくるでしょうから、結果として人々とAIの距離は縮まります。これは予言ではなく確実です。AIに興味がない人だって、右端にバーンとAIの入口があったら試したくなるもんでしょ?。

Google Chromeだって、URLを入力するフィールドを検索窓と統合したことで、これだけGoogle検索と人々の距離を近づけたわけです。AIがどう優れているかより、どうAIと一般の人々を近づけるかが現在の焦点です。

 

さて、仮に、世界のほとんどの人々がAIに問い合わせることを身近に行うようになったとします。今までは検索窓を開いて関連ページを見ていたのが、AIに質問するんでしょうね。それが今までのようにフリック入力でのテキストベースなのか、それとも音声入力なのか、どんなインターフェースになるのかはまだまだ流動的です。

どんな方法であれ、人々はAIから回答を得るわけです。その回答については、現時点ではまだ信頼を得ているとは言えませんね。みんなその回答には半信半疑で、一応の裏取りをしようとします。

その回答を、Googleで再検索し、正しい情報なのか検算します。

それはリテラシーがあるからこそ行う行動です。もし、本当にAIがインフラ化してしまったら、きっと人々はエビデンスを求めなくなる思います。

「AIがそう言っているから、正しいと思いました。」

きっとそうなります。Google検索の場合は、ヒットしたページの意味がわからなければ取り入れなかった情報が、AIは、可読性の高い言語にまとめて答えてくれるので、ウソでも人々に入っていきやすい性質を持ちます。

 

今のZ世代などと言われる人々はまだ、AIをおもちゃとして使っているだけです。怖いのは10年後くらい。幼少期からAIがあるのが当たり前で、何の疑問も持たずAIにいろいろ質問し勝手に学ぶ世代です。

AIがもっと精度が上がった前提で、彼らはAIから知り得た情報を自分の基盤としていきます。そして「AIで調べました」と真顔で答えるでしょう。そして、AIのその回答は本当か?と返そうものなら、ウザい、非効率、生産性が悪い、などと言われるんでしょうね。

ただし、この話、昔から何も変わっていません。

どんなプロセスで情報を受け取ったとしても、最後は自分の頭で考えて理解できるか検討し、自分のものにするかどうか。

テレビだって、新聞だって、SNSだって、ウソばかりですから。本当のことは世の中の情報のほんの一部で、どうフィルターして自分の中に取り入れるかの技術が、ますます上がるだけということです。今更、AIでも何でも同じです。

だからテレビも新聞もSNSも見ないでAIも使わないとは言いません。いや全部、私は人より見ているくらいですが、それでも全部ウソと思って見てます。このウソをいかに人々が真実と思い込ませるためにどういうトリックを使っているのか、という目線です。真実なんて、多くの人が正しいと言えばウソでも真実になります。

今度はAIが出てきたので、AI由来のウソに取り込まれた連中が、おそらく社会に少なからず迷惑をかけるんでしょうけど、どうやって回避してやろうかと言う気まんまんです。