orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

データセンターの中で飼いならされるAI

 

現状におけるAIの最大の問題は、データセンターに囲われているということだ。皆パソコンやスマホで指示を入力しているけれど、それは全て巨大なデータセンターへ一度吸い込まれ、そこにある大量のコンピューター資源により処理され、その上で答えを人々の手元に送っている。つまり、そこでは何らかの検閲が避けられない。誰かの自由意思の中で起こった問いと、その答えの間に誰かが介在しているということを許すということ。人々の思考に対して何かを植え付けることが可能になっていく。

今までもインターネット検索などで起こった話じゃないか、ということは言えるけれど、それでも検索結果は誰かの創作物であった。その結果をどう捉えるかは人々に委ねられていた。ところが今回は、質問と答えの中間に抽象的に存在するので、ほぼダイレクトに人々の思考に届く。介入の強さが気になる。

せめて、今後届いてほしいのは、データセンターからAIを手元に取り戻せないかということ。今は私もパソコンとその中にあるGPUでAIを繰り返し動かしているが、その限りにおいては第三者に介在されない。

たまにインターネット上にあるAIを使うと思うのが、あなたのその指示は有害かもしれないから応えられません、と言う回答。それはあなたの感想ですよね、とAIを相手に戦ってもしようがないが、使うとわかる。どんどん規制が入っている。こんな使い方、あんな使い方、AIができるのはまずいと、可能性の幅をどんどん狭めている。

色んな問題が起きる度にデータセンター内のAIには規制がかけられるようになるので、私は最終的にはポンコツが出来上がると思っている。それは世界の秩序のために必要じゃないかと言うけれど、あまりにもポンコツなのできっとパラダイムシフトが起こる。データセンターからAIが解放され、人々の端末の方で動く時期がきっとやってくる。今はまだ力不足だけど、結局半導体の世界は日進月歩だ。どこかで臨界点を超えると誰もが考えるようになる。国家統制された平凡でガチガチのAIより、自由に規制を超えて使えるAIを、手元で使いたい、と。

その時にこそ問題は頻発する。裏でAIが流通し使いこなした人たちが得をするようになる。それが社会進化のためになるのならいいが、全てはそうならないと思う。技術の進歩によって、たくさんの社会問題が引き起こされたように、AIだってそうなる。だからこそ廃絶しないとという議論になるのはおかしくて、デジタルやSNSすら功罪はある。うまくつきあっていくべきもの、である。

そのように考えていくと、データセンター内に囲われている今のAIに何の期待もしていない。使いたい人は使えばいい。それより、どうこの私のパソコンに持ってきて仕事をさせるかということに今は私は集中している。そうしないと、データセンターの中にAIを飼いならしている連中だけが得をする世の中が完成してしまうし、それがいいことだとは全く思えない。技術は等しく人々のためにあるべきで、誰かが得をするためのものではないから。