orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

なぜ、コンピューターは、文句を言うばかりで自分で問題解決してくれないのか

 

IT業界にいない人は少し不思議に思っているんじゃないかと思う。

「ディスクの使用率が80%を超えました。注意してください。」

とログなどにアラートをコンピューターが書いたとする。

ディスクの使用率が100%になったら何も書けなくなるから、システムは止まるかもしれない。書けなくなるだけで動き続けるかもしれないが、何かしら書いてきたんだから一杯になるのであり、速めに対処する必要はあるだろう。

もし無駄なファイルがあるのなら削除する。

削除できないのなら、別の場所に移動するか。

クラウドなど、動的に容量を増やせる方法もある。

それらを、人が判断して対応している。対応しているのだが、それこそ、コンピューター側で自動で判断して何とかしてくれればいいんじゃない?という素朴な疑問を持たれていると思う。

だって、コンピューターって自動化するために存在しているんでしょう?。

じゃあ、自分に起こる様々なことも自動化すればよくない?と言う話だ。

 

システム運用とは、こういう類の話をわざわざ人間がやっているというだけの話なんだと思う。監視システムにいろんなパターンがあらかじめ仕込んであって、「危険だよ」「注意してね」みたいなことを年中言っていて、それを人間が、ああそうかい、なんとかしなきゃねと動いているのだが。

なんでこれを、まだ人がやらねばならんのかな、と。自分たちの仕事こそ、一番先に自動化されそうなものだが不思議なものである。

どのファイルが必要で不要か、人間が判断しなきゃいけない。

ディスクを増やすと言ったって、増やしたディスクには費用がかかるので、ちゃんと承認を得ないといけない。

移動する先のディスクが安全な場所にあるかも確認しなきゃいけない。

移動したら問題が起きないかも大事だ。

移動する作業自体もリスクを抱える。間違ったものを移動したら大変だ。

いろいろ、考えなきゃいけないから人がやっているのだが、考える人自体も自動化できないものだろうか。

そのあたりを人口知能さんがうまーくとりなしてくれて、しかも勝手に変更作業を行い、変更中に危険な作業が無いようにレビューしてくれて、そしてそのとおり作業してくれる。

その中で想定外のことが起きたら、エスカレーションし、指示を仰ぐ。え、人工知能は誰に指示を仰ぐのだろう。電話でもかけてくれるのか。

もし、上司につながらなかったらどうするんだろう。いいや、もう事後報告でやっちゃえと突っ走るのだろうか。それとも、もう何も考えずぼーっとエスカレーションの返事が返ってくるのを待っているんだろうか。

・・とか、人工知能がそこまでやってくれるんだっけ、と考えると、中々遠い旅になるような気がしている。

そして、人間っていいな、って思ってちょっとほっこりする。

 

このストーリーだけでも十分複雑なのだが、現実はもっともっといろいろある。どんどんシステム運用をかみ砕いていくと、信用とか、経済とか、用心とか、勘とか、わけのわからないパラメーターに支配され過ぎていて、それこそ人を教育すること自体もかなり難しいことと感じている次第だ。人間が人間すらちゃんと教育できないのに、人工知能をうまく学習させることなんてできないに決まってるな。

一周周って、ああ新しい人材欲しいな、と思ったところだ。

人間はなんて高機能なんだろう。だから明日も人間と仕事をするのである。