orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。1日2記事投稿しています(0:00、12:00)。

上が決めてくれないからしようがない、という呪い

 

「上が決めてくれないからしようがない」

っていう言葉は、何だか呪いのようですね。あきらめる、という言葉の解像度を上げるとこの言葉になると思います。

この言葉を発する時、たいていは憂鬱な環境に対して、自分が巻き込まれていることを示します。その環境を制御しているのは「上」であり、自分とは切り離した存在としています。自分がどう動こうが環境が悪く、そして何をしてもびくともしない。

この言葉は楽ですね。苦痛のある環境の中で、ただただ流れのままに従うしかなく、一定の時間が来れば一時的に解放されるということです。

問題点は、「上」に自分がアクセス可能かどうかということです。直属の上司がいないということでしょうか。そんな人はいません。では、直属の上司に直談判はしたのでしょうか。決めてくれないので不満です。不快です。どうにかしてほしいです、と。それを行ったのか、それとも行うと悪い意味で目を付けられ、不利益を被ってしまうから黙っておいたほうがいいということでしょうか。

どちらにしろ、上司との本来のコミュニケーションを、閉じているということには変わりはありません。ニコニコ対応していても、裏では、「上」という呼び方をして関わりを薄くし、陰で不満を言っていたり思っていたりする。これでは、上も気が付きようにないというのが、上からの感想でもあります。

実際に上司に相談してみても、何も変わらない。何もしてくれない。そうだとしたら、段階は確実に変わります。決めてくれないからしようがないのではなく、意見を聴いてくれないということです。その場合組織として機能不全が起きています。末端の社員からフィードバックを受けないということは、人を人間扱いしていないということです。マニュアル通りに動け、文句は言うな、改善はマネージャーレベルで考える、こういうことでしょうか。

そうやって、末端からやる気を失い、上司へのコミュニケーションパスを破棄していくから、結果的にマネージャーから上、経営メンバーに至るまで、社員が何を考えているのか訳がわからなくなります。そしてこういうのです。「うちの社員は従順だが、受け身で、決まったことをやることに慣れてしまっている」と。実は、そう仕向けているのは、会社の文化なのかもしれません。

この、無力感を示したような、「上が決めてくれないからしようがない」という言葉は、時間と共に組織を侵食します。この会社にいても、自分の意見を発する場所がないと末端が思うのなら、きっと会社を出ていく人が増えるでしょう。心理的安全性というキーワードがありますが、何か言うと損をするということを示しています。

まずは、しようがない、と言う言葉から脱却する方法を組織全体で考えるべきでしょう。なぜしようがないのか。単に今の不満を解消するだけではなく、不満があったときに、どう組織の課題としてシェアし、客観的事実として向き合い、優先度・緊急度を定義して、いつまでに誰が対応していくか。こういったプロセスがきちんとまわる会社には、「しようがない」はありません。そしてやるもやらないも、組織全員の課題です。

こういう話は大企業だとありがちで、不祥事の原因になったりもします。上下間でコミュニケーションが円滑に成り立っているかは、企業の生命線なのかもしれません。