orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「空は青いですか?」みたいな質問に思うこと

 

ネットの言論を見ていて、他人に質問しても意味がない質問をする人がいるように見受けられる。例えば「結婚したほうがいいですか?」。これを他人に聞いてどうしようと言うのだろう。そして、答える方も答えるほうで、答えて何か生産的な話ができるのだろうか。

「結婚をしないとできないことがあり、そのできないことを望むのであればもちろんしたほうがいい。ただ結婚したからといって、それができるかどうかは別で、人によってはできない人もいる。そして離婚してしまう人もいてそれなら初めから結婚しないほうがいいという側面もある。また、結婚しないほうができること、というのも存在しそれに重みを置くなら結婚しないという選択にも理はある。これらの可能性を総合的に勘案して、自分の適性を考え、それぞれの選択肢を取った場合の未来を具体的に予想し、選び進んでいこう。」

なんだか、書いていてChatGPTと同じ気持ちになった。人間だったら「知らんがな」と言いたいところだが、きちんと書くというこういうところか。

タイトルの「空は青いですか?」にしたってこうだろう。

「空は、太陽が出ている時間帯に限れば、雲が少ない時は青いです。雲が熱ければ灰色に近く、場合により濃い灰色にもなります。朝晩は晴れていれば赤くなることがあり、朝焼け、夕焼けとも言われています。太陽が沈むと黒に近いですが、月が光っているときには少し青色も混ざるでしょう。そういう意味では夜であっても、空が青いということはいえるかもしれません。なお、雲が厚いと完全に黒くなります。都会では陸の光に照らされて浅い藍色にみえるかもしれません。」

・・これを、人に聴いてどうするのか。

これが言語化、だと思う。言語化を全ての人がきちんとできるとは思わない。人によっては芸術的に言語を使わずに表現する人もいる。言葉は一つのメディアであるし、それすらも、論文、小説、詩、いろいろな形式が存在する。

質問は短文なのだが、その答えはいろんな側面から導き出せるのが普通だし、それぞれがどう分かれているかを見極め、その性質によって答えが変わる様を提示することで、質問者に選択肢が現れていく。

ただ、こういう質問者にも「ある傾向」がある。「言って欲しいことを回答者に期待している」場合である。上記のようにあらゆる方向を平均的に分析し発言すること「しか」できないと「空気が読めない」と言われる始末である。その中には「傷つける」という分野の中身も含まれている。

困ったものである。質問してきたのはあなたなのに、回答内容の傾向については情報をフィルターしないといけない。これを「気を遣う」という。「忖度」なんて言葉もあったか。

きっと、ChatGPTの回答は気を遣った回答などしていなくて、そのために、内部処理的に、違法なことや倫理上問題があることを出力しないようプログラムが入っている。でも、実はこの機構自体が「人間」なのだと思う。AIはまだできないことがそこにあり、忖度の無い情報ならChatGPTには聴くけれど、「ねえ、私の相談にのってよ」ということについてはきっと、相変わらず信頼できる人に質問するという筋になっている。

ま、この話自体が皮肉である。質問する人の心の中には必ず色気があるということ。そして回答するほうも、調子に乗っていらないことは言わないこと。私の経験から学んだことの一つでもある。