orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

全て効率化したとしても残る仕事

 

随分、お仕事も工夫に工夫を重ね、効率のかたまりみたいな状態になったと思うですが、結局のところ仕事は残っています。残った仕事の特徴を考えてみたいと思います。

 

お約束している仕事内容の少し外側にある仕事

例えば、私はITインフラを担当しているのですが、明らかにアプリケーション開発側で問題を切り分けるべきな問題が起こります。お客様は開発だのインフラだのってのはよくわからないので、何か問題があるんじゃないかとご相談されます。

効率化している領域は、自分たちの仕事領域に限るわけで、一歩領域を出るとさすがに手付かずであることが多いです。全く関係ないと問い合わせは来ないのですが、ITインフラもアプリケーションも一体で動いてますので、きちんとITインフラの問題じゃないという反証ができないと逃れられません。

ITインフラの領域ならスラスラ問題に対応するのですが、そうではない領域だと人間が試行錯誤するしかなくなります。その結果、たいていITインフラじゃないという証明はできるのですが、アプリケーション側のトラブルシューティングをやってあげることになるので、まぁ効率の悪いこと。

アプリケーション側で切り分けしてくれた結果を頂ければ効率よく進むんですけどね。アプリケーション開発側も、インフラの問題ではないと切り分けないと調べないぞ、まであるので、いつも折れてアプリケーションの方を調べてます。

 

違和感を頼りにする仕事

監視システムを使って監視は自動化できているので、そこから出たアラートを見て行けば問題そのものや、問題の予兆にたどり着くことができます。

ただ、それが問題だ、問題ならこう対応すべきだ、解決できた、まで考える思考についてはケースバイケースで解法が異なるので中々自動化はできません。

問題の大小も、これを放置したらどうなる、から始まり予測のようなことをして、そこから優先度や緊急度を設定し、対応していきます。

単体のアラートから察する場合もあれば、過去の履歴から思い出すこともあり、そして複数のアラートから推移することもあります。

それはもう「違和感」と言う言葉以外には説明できない、センス的なものを、効率化・自動化するのは時間がかかります。毎回の人間の判断を積み上げて、法則をチームが悟っていくしかない。ただその悟りですらバイアスとなって、思い込みとなって、正確な判断をできなくすることもあり、なんとも人間系の話です。

 

わかってくれない相手の対応をする仕事

ChatGPTと話をすると良く思うのですが、空気の読めない回答をしてきますよね。相手の気持ちを考えない発言ができるのは、AIだから、という前置きがあるからですね。もしChatGPTと同じ言い回しで顧客対応をしたら、きっと怒りだします。ChatGPTは話す相手がわかってくれない場合に、すぐ拗ねますからね。わかってくれないなら私は話しません、じゃあ、わかってくれたことを前提に次の質問どうぞ、みたいなことを平気で言うヤツです。

人の気持ちがわからない時点で、あの生成AIってやつは落第なんじゃないかと常々思っているのですが、それでもロジカルに知識を整理するような分野ではもはや破竹の勢いと言ったところで、今後、人間の居場所っていうのは、お気持ち的な要素の入った仕事なんじゃないか、と思う次第です。

 

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あの、AIってヤツは、きっと人間じゃないです。人間ではできないことをやってますので、人間の性質を模倣した別の存在です。

ということは人間自身にはどうやってもAIにはできないことを求められるようになってきますから、その差分とは何ぞや、と言う哲学をこれから考えて行かなければいけないです。それをAIに聴いてもアイツは何でもできるってウソを答えてきますから当てにできません。

人の気持ちを考えた対応。何かぞわぞわする。そういう感覚には名前はついてないですが、これからの時代を勝ち抜くヒントはその辺りにありそうです、と私の感覚が言っています。