orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

想定外に速過ぎるインフレ進行、IT業界どうするよ

 

円安が止まらない。今記事を書いている時点で142円/ドルだが、朝起きたらもっと上を目指しそうだ。

アメリカなんか行かないから関係ないってのはIT業界に属している限り、勘違いも甚だしい。システムを作るときにどうしても輸入製品が必要になる。サーバー、ネットワーク機器、ソフトウェア、どこを取ってもアメリカ製品ばかりだ。もともと円安基調で価格改定の連続だったところに、アメリカ自体のインフレが重なり、価格がもう大変なことになっている。

そう、現在進行形である。

今、ベンダーから見積を取ってみるといい。まず、見積が届くのが遅くなっている。値付けするほうも、毎日1円2円平気で動く為替相場に神経質になっているし、半導体不足で製品の入手も困難になっている。それに合わせて製品のドル建ての価格値上げ改定が相次いでいる。

どれぐらい昔と値段が違うかと言うと、同じ性能なのに、数年前の2倍以上の価格を提示されるという場合もあるくらい。

一方で、人件費を見積もる場合は、これまで通りの価格帯である。なぜか人件費だけは上げない。だから、ハードウェアやソフトウェアの値段だけがべらぼうに高くなるだけである。実入りは少ない。

顧客に、新規システム構築にしろ、保守更新にしろ、こんなにお金がかかるというと難色を示される。人件費の分で調整できませんか・・なんて言われそうで怖いが、これもとんでもない話である。モノが高くなったので、ヒトの分は安くで働けとか、わけわからない。むしろ人件費の部分も2倍にしたいくらいである。

この状況が「来るべき未来」ではなく、今、だ。もう今起こっているので、きっとここから1年、大変な状況になる。

クラウドも、オンプレも、ざっくり去年の予算の150%くらいは必要になる。今のところは。構成によっては200%越えもあるかもしれない。

この状況を凌ぐにはどうすればいいか。IT資産の棚卸を行い、無駄なリソースはないかの確認を行わなければいけない。1サーバーでも1CPUでも1GBのメモリーでも。データの削減も必要だ。何から何までそぎ落とすことが必要になる。

もともと、クラウドは、必要な分を必要なだけ使える経済的なITリソースと呼ばれていたけれど、ふたを開けるとたくさんの会社が、リソースを増強したらしたままになる。だからクラウド業界は右肩上がりに伸びて来た。しかし、ここまでの必然性が生まれると逆回転していくだろう。減らすことが正義となる。

オンプレにおいても、これまでの鉄板構成を出したら、「高すぎる」と突っぱねられることが増えていく。性能不足でも妥協しなければいけないシーンすら出てくる。インフラエンジニアとしては、非常にやりにくくなる。

保守も、24時間だったのを営業日日中のみのメニューにするような工夫も必要になってくる。

ここ最近は、DXブームで、ITにどんどんお金を使ってデジタル化するのがブームだったのに、もはや、作ったものがそのまま、金食い虫になると見られるかもしれない。お得意の5年で予算を組む方式が、こんなに円安やインフレで値上がりしては台無しである。もともとの予算を下回るように、せっかくの計画を縮小しなければいけなくなるだろう。

考えたくもない予想だったが、もう現実だ。明日言われなかったら明後日言われるような問題だ。それならもう今のうちから、システムのリソース縮退について真面目に考え始めた方がいいと思う。じゃないと、システムそのものを止めるとか、人件費を削減するとか、訳の分からない方向に進んでしまうかもしれないのだから。