orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

日本から3割くらいのクラウドリソースが消失するのではないか

 

円安である。そしてアメリカではインフレが続いている。

クラウドの世界では何が起きるかというと、サーバーにしろソフトウェアにしろ、値段が上がるのである。

2021年9月の為替レートはなんと110円/ドルだった。今や140円/ドルである。これだけで27%の価格増加要因となる。

しかも、アメリカのソフトウェア製品は年々値上げする傾向にあるが、いろいろ聴いていると15%くらいの値上げをしてきそうだ。

つまり、1.27倍 * 1.15倍 = 1.46倍となる。クラウドリソースに対して146%の価格インパクトがあるということだ。

「嫌だ!そんなに支払いたくない!」

と言う時はどうすればいいか。クラウドリソースの整理である。

(1 - 1 / 1.46) = 0.32となり、3割くらい全体から削減すれば、去年と支払いは同等になる。

さて、現場の皆さん、「クラウドリソースを3割削減せよ」と言われて、できますか?。

10台で動いている構成なら、7台に減らすということ。

そんな単純な話でもなく、ストレージを無尽蔵に使っていたところをファイル削除した上でボリュームを小さくする。CPUやメモリーのサイジングをやりなおし、もっと小さなスペックで動かしてみる。セキュリティーが過大となっていた部分を簡略化する。利用実績の少ないサーバーを統合しまとめる。

いろいろ考えてみたが、何ともしんどい作業である。やるべきことは複雑かつリスクがある割には、できた結果はリソース削減である。しばらく動かしてみて何が起こるか読めないところもあるし、また作業中での事故の可能性もあるのに、性能が上がるわけでもない。

ただ・・、この3割削減というのが絶対にできないかというと、肌感覚的にはできそうと思う自分もいる。当初ハウジングする際に、リリース直後に必要とするとされる性能の3割以上をバッファーとして用意するのは常套手段ではないか。ギリギリのサイジングをして蓋を開けてみたらもっと性能が必要だった・・では危険だからだ。顧客側もわかっていて、性能不足でサービスに問題が出るほうが痛手なので、余裕を持たせて設備を整えることを断るケースは少ない。「〇〇システムリリース!」の直後に「性能が出ません!」となったらたいてい大損害だろう。

一方で、リリースして時間が経ったシステムなら違う。だいたいのピークは読めているので無駄な過剰性能分は割り出せるはずだ。ただそれが、運用インフラエンジニアにとっては「余裕の拠り所」ではあるのだが。それが今回の3割削除司令で一番考える場所になると思う。

今の所、私の観測範囲ではまだ、リソースの削除を明確に議題にされたケースはない。現在のDXブームにおいてはIT投資を増やす傾向にあるので、減らすなんてとんでもないという論調もまだある。しかし・・、値段が急に1.5倍近くになるとして、今までどおりいられるのだろうか。蛇口から出る水のようにクラウドリソースを使っていた時代は明確に終わるのではないか。昔のオンプレ時代のように、カツカツのチューニングが求められる時代がそこまで来ているような気がしてならない。

クラウドなら従量なので、使いたい分だけ課金されるから、効率的だよねとクラウド化が進んだのに、今度は「使いたい」って欲求を減らせという話になってきた。世の中はどう対応するのだろうか。

 

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過去のブログを振り返ると、いろいろ的を得た懸念をしてるんだなあと思う。本当になってほしくないことが、本当になるとはね。