orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

主語が大きい記事はだいたい間違ってる

 

この記事のタイトルも主語が大きいのかもしれないけど。

男はこう、女はこう、みたいな話もそうだけど、男って言ったら日本に6000万人いて、女も同様。それを十把一絡げに、こういう性質がある、って断言するのって、だいたい間違いだよなぁと思う。

そして、そういう記事ほど、読まれやすいというか、歯切れがいいから目を惹くんだろうね。でも、もう読むまでもなく間違いでしょ、とは言えると思う。

いや、間違いと言うか、傾向みたいなもんだからそんなに目くじら立てなくても・・と言うかもしれないが、ここ最近そういう主語デカ記事がどんどんリコメンドされるのでなかなかノイズが大きな世界である。

Yahoo!のトップページだって、Google Discoveryだって、iPhoneだって、SmartNewsだって、他のメディアもか、黙っててもどんどんニュースがリコメンドされ、これどうですかあれどうですかって教えてくれるんだけど、そんなことないだろって言いたくもなる記事があって、でもYahoo!やGoogleに、「ちゃうよねそれ、何で薦めてきた?」なんて言えないもんね。

一応、「興味がない」みたいなことはできる場合もあるけど、ほんと、訳のわからないアルゴリズムで、毎日いろいろ主語デカ記事が飛び込んできてどうすりゃいいんだろうと思う。

記事って、だいたい500字~1500字くらいが多いんだけど、それだけの分量で、何千万人の傾向を語ろうとするから、かなり無理のある展開となっちゃう。それで、あまりにも辻褄が合わない記事はネットで炎上して、何言ってんねんと一日くらい炎上して、そんで記事も消え、そうやってネットは回ってる。

この前、心理学の有名な論文が、どんどん追試失敗してるってニュースを聞いたんだけど、心理学も結構主語デカ問題に含まれやすいテーマでもある。人間って、同じインプット、例えば同じ人が同じトーンで同じ表情で同じ言葉を、AさんとBさんに問いかけたとき、全く二人の反応が変わる。なのに「心理」というのは、人間の持つ普遍的なこの特性について・・で始めちゃうので、ブレが出やすい。大勢の人がこういう傾向にあるよね~、ぐらい感覚で心理学の中身は見た方がわかりやすくて、絶対こうである、と言ったときにたくさんの例外が出てしまうものだと思う。

また、ある時代の人には実験が成功したものを、今の時代の人で同じ手法で実験しても、失敗してしまうかもしれない。それぐらい、人間というのはブレのある実験対象だと思う。ハードウェアに比べソフトウェアがどんどんアップデートされていくので、要件定義が昔のままでは実装と差がついてしまうのだ。

ま、これは心理学の否定ではなくて、心理という時代でどんどん変わっていくものを相手にするならば、学問の中身そのものもアップデートしないといけないよ、ということだ。私が習ったのは1990年代の心理学だが、2020年代の心理学はきっと、別モノなんだろうし「有名な学説」みたいなものも、今のOSでは動かないのかもね。

主語が大きいとだいたい間違い、ネットとつきあうならこれは常識なのかもしれないね。