orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

近接性バイアス、出社している社員をひいきしてしまう現象を知ろう

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近接性バイアスというキーワードを初めて聞きました。とても興味深いお話です。

 

internet.watch.impress.co.jp

 経営層には、オフィスで一緒に働いている従業員を“ひいき”する「近接性バイアス」というリスクがあるという。リモートワークよりも、オフィスで働いていたほうが経営層に高く評価されやすい可能性があるということだ。

 実際に経営層の41%は、リモートワークの従業員とオフィス勤務の従業員の間で不公平が生じる可能性があると回答している。前回の調査(2021年5月)では33%だったため、今回の調査では大きく上昇している。

 

注意しようがどうしようが、どうにも人間の性質として、身近にいる人をひいきしてしまうんでしょうね。

昔からよくあった話で、炎上してるプロジェクトにいると、そこに経営に近い人が入りびたるので仲良くなり、無風のプロジェクトにいる人より評価されてしまうという現象も、この一つだと思います。

何せ、近くにいりゃあいいのですが、昔はそれでもオフィスの中にまとまっていた社員たちが今ではリモートです。よく出勤する人とリモートで働く人。仕事の成果を出すことについて差はないにもかかわらず、経営層がよく出社していたりすると、出社している人の方が評価が上になってしまう。

もしかしたら、結局テレワークが現状これだけ必要なのになかなか普及しないのは、皆さん、はっきりとこの近接性バイアスを意識して行動されているのかもしれませんね。

 

この調査についてもっと詳しい記事があったので紹介します。

 

news.mynavi.jp

近接性バイアスをなくしてリモートワークの従業員とオフィス勤務の従業員を公平に扱うには経営層が自社における効果的なハイブリッドワークの概要をまとめて原則と行動指針として示すことが必要だという。

原則は、インクルーシブ(包摂性)であることや平等といった企業のコアバリューに対するアプローチを土台とし、行動指針はあらゆる従業員にとって公平な職場環境を保つための行動を定めたガイドとなる。例えば、経営層が1週間にオフィスで過ごす日数を制限するほか、会議に「リモート参加者がいる場合は全員リモート」というポリシーも設けてもよいと提言している。

水嶋氏は「不公平を防止する方法としては、ダイバーシティとインクルージョンへの積極的な投資だ。事実、これらへの投資が積極的な組織に属する従業員は、最も高い従業員体験指標を示している」と説く。

 

つまり、経営層がたくさん会社にきておいて、「みんなリモートして良いぞ」と言ったとしても、出社できる人の方が評価される環境となってしまうのは当たり前、ということです。リモートの機会は、皆に公平に行きわたるようにし、出社することがメリットとならないように「しなければいけない」ということですね。

そう言われると、日本のほとんどの会社はそんなことしていないと思います。

自由だ。

この言葉の裏には、「もし不利益があっても自己責任だからね」という言葉をはらんでいるのではないでしょうか。

自由に見せかけた不自由ですね。

結果を出しても、リモートだからと言って過小評価される。

結果を出さなくても、オフィスで仕事しているからといって過大評価される。

これでは、テレワークは普及しなくてあたりまえ、です。

 

近接性バイアスに注目した記事をさらに紹介します。

 

atengagement.com

物理的に近い人を遠くにいる人よりも優遇してしまうことを「近接性バイアス(proximity bias)」といいます。近接性とは、社会心理学で「対人魅力」と呼ばれる概念を構成する6つの要因のうちのひとつです。相模女子大学人間心理学科の菅沼崇教授は、対人魅力とは「特定の他者に対して魅力や好意をもつこと」を指し、6つの対人魅力要因のうち、人間関係が形成される初期段階で重要なのが「物理的な距離が遠い人より近くにいる人の方が親しくなりやすい」という「近接性」の要因であると解説しています。みなさんも、学生時代に最初に仲良くなったのは隣や前後の席の人だった、という経験があるのではないでしょうか。

 

特にこの言葉が響きます。

 

それはすなわち、制度としては働き方の選択の自由が与えられている職場においても、実際にはテレワークを選択することが昇進を諦めることに直結しかねない、ということを意味しています。

 

まだ、IT業界、しかもクラウドということでインターネットの本流にいるために、あんまり近接性バイアスを気にしないで過ごすことはできましたが、結局のところ、目を背けていただけかもしれないな、と思うこともあります。

もし、経営がこのように、近接性バイアスをほったらかしにして、テレワーク自由を掲げるなら、きっと間違いなくテレワークを続けることは不利益に直結する、と思います。

 

以上を踏まえて、近接性バイアスを克服をするために重要なポイントを5つにまとめました。

・近接性バイアスの存在を認識する
・アウトプット(成果)をもとに評価をする
・リーダー自らテレワークを取り入れる
・全てのメンバーが公平に議論に参加できる環境づくりをする
・遠隔でもカジュアルな会話を大切にする

 

皆様の会社、本当にこれ、やってますか?。

個人に任せる、になっているとしたら、これはもしかしたら、非常に残酷な人間の生理的な本能に、本来の評価をゆがまされていて、これを放置しているだけのことをやっているのかもしれません。

「ウチの会社は、なんでテレワークを自由にやっていいって言ってるのに、なんでみんな出社してくるんだろうな。みんな会社が大好きなのかな。はっはっは。」

とか呑気に言っている方、いらっしゃいませんかね?。ご注意を。