orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

AIのある世界で生きていくために

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AIが確実に仕事の現場が入りつつあるが、このまま人間の仕事が奪われていくのではという危惧がある。これは一面から見れば間違いない事実であり実際に奪っていっている。

 

www.nikkei.com

人手に頼っていた保険金の審査や支払いが変わる。損害保険ジャパンは2022年度中にAI(人工知能)審査を導入し、保険金請求の受け付けから支払いをデジタルで完結できるようにする。2週間かかっていた支払い手続きを最短30分に短縮する。AI対応は海外でサービスが始まったばかりで、日本でも中核である審査・支払業務でデジタル化が進む。

 

このような、人間が判断していたことをAIに任せるという事例は今後も増えていくだろう。そうするとこれまでこの仕事に携わっていた担当者の数は減らされる。そうやって仕事に必要な人員の数が少なくなっていくという現象を、今後我々は見せつけられるに違いない。

それでは、人間はどんな仕事に携わっていけばいいのか。

仕事ができるAIを構築するためには、今は多大なコストを使う。多大なコストを使ってもいい仕事だけにAIが入り込んでいるので、今はAIを導入するまでもないコチャコチャした仕事にはまだAIは入り込めない。

問題はAIのコストが劇的に下がったときだ。安価に入手でき、そして教育すれば、低レベルの仕事まではこなしてくれる。これが実現したときに一番必要な仕事は、AIをトレーニングする仕事である。

今はAIをトレーニングする仕事は高給が保証されている。数学的なバックグラウンドとプログラミング能力、データに対する高度な知識が必要とされるからだ。これがぐっと下がり、ある程度の理解が進めばなんとなく実装できるようになる。インプレスあたりから「できるAI」のような本が出てくればそのサインだ。

AI自体が新しいビジネスに適応することはありえない。それは会社でも同じだろう。入社させてトレーニングするから働けるようになるのであり、人間でも教育が必要なのと同じ理由だ。

AIが高度な知識なしで人々が利用できるようになったときには、今度はAIの活用方法こそ人間のフィールドとなる。

AI自体の仕組みや理論の高度さから、今はそれを操れる人が少なすぎるので、今はまだ大企業の一部の領域にしか過ぎない。コストが高止まりしているうちは広がりは限られる。一方で大企業で大量のオペレーションを人間が行っている場所は、高いコストとも見合うのでこういった仕事は今、真っ先にAIに置き換わろうとしており関連業務を行う方は警戒したほうがいい。

今はどちらかというと、システム構築やプログラミングの敷居が下がってきていて、特にローコードやノーコードの議論が新しい。一方でいきなりプログラミングの勉強だけやってもちゃんとしたシステムには決してならない。安定したシステム構築を行うことができるようになるために、IT業界は20年ほどかかった。2000年代、ITバブルと呼ばれた時代に、期待されていたアウトプットができず大きな失望を世界に与えてしまった。IT企業はブラックと呼ばれしばらく誰も近づかなくなったが、そこを乗り越えて今や人気業種である。先人が積み上げてきたノウハウが適用されてこその状況だ。これを無視してはいけないと思う。

AIもきっとこの状況がやってくる。多くの人が今のAIに失望しつつ、一方で研究開発が進み誰でも扱える日がやってくる。そのときに、次はこの便利なAIという存在を使いこなす人間が必要になってくる。この動きをキャッチし理解する役割を果たし、人間の生活が豊かになるように動く人がきっと求められる。今は、まだ一部の人々に任せておけばいい。AIはこれからなのだ。エンドユーザーでもなく、AI研究者でもない、AI活用者が求められるのはこれからだ。

これは実際に、IT業界が進んできた道と似ている。ITで人々の仕事が失われるかと思いきや、むしろITを生業とする人々が増えて今や人材不足と言われる。この延長線上にAIはある。だから恐れることはない。置き換わる仕事をするのではなく、置き換える仕事をするほうに回ればいいだけの話なのだ。