orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

今のAIは人間のシミュレーションではない

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よく、AIで言われること。

 

japan.zdnet.com

 新型コロナウイルス感染症が人工知能/機械学習(AI/ML)の導入にどのような影響を与えることになるのか、結論はまだ出ていません。しかし、これまでの兆候を見る限り、企業は変化した世界で事業を継続するためにAI/MLへの依存度を高めており、導入は増加の一途をたどることになりそうです。

 AIへの投資を実のあるものにするためには、データレイクによるデータの集約、生データを分析可能な形にする自動変換、データの信頼性を高めるためのガバナンスという、データ管理の3つの課題を考慮すべきです。

 

すごーくわかるのですが、もはや、AIはもう人間を置き換えるものではなくなってますね。

この記事をもっとわかりやすく言えば、コンピュータにわかるくらいデータを一か所にかつ十分に集めて、デジタル化し、しかもゴミデータは消しとけ、って言う話です。これまでのシステム構築の常識から言ってもその通りです。

でも、人間って、非正規化されたさまざまなデータを頼りに、これまでの経験を活かしてあいまいに決断して選択しますよね。

人間の素晴らしさは、このあいまいな情報処理プロセスにあると思うんです。例えば恋愛をするときに、相手の性格や行動様式をさまざまなデータに変換し、一か所に保管し、それらを計算・分析して、相手を選びますか?。

・・・・・いや、そうやって選ぶ人もたまにいるとは思いますが、データは参照しつつもっと直感で選びますよね。それは割り切れないものだし、かといってこれまでの経験的知識を無視した結果でもない。

結果を出す以上は、何らかの情報処理が行われたことが確かで、それらのプロセスが何によって成り立っているかをシミュレーションするのが、AIだ。AIの現実を知らないとそんな夢を見がちなこの分野ですが、結局は人間の一部の情報処理の規則的な部分をプログラミング化したに過ぎない、ということです。

だから、今、企業がAIに投資しようとするときに、そのAIの定義を現実に合わせなければいけません。狭義のAIは、人間の特定の領域に対して、圧倒的に勝利します。特に画像認識、音声認識や、テキスト分析など、知覚・認知の部分における性能は圧倒的です。しかし、人間の脳はそれだけのために動いているのでは決してありません。

もし、AIで動く人間がいたとして、変なデータが少しでも混ざっていると、おかしな結論をすぐに出してくる。結構その人と仕事するの大変だと思いますよ。私も現在のAI的なアプリケーションをずっと遊んでいて思いました。このデータセットを作る仕事こそ、AIでできないのか、って。

だって、

①データレイクによるデータの集約・・・AIがやればいいのに
②生データを分析可能な形にする自動変換・・・AIがやればいいのに
③データの信頼性を高めるためのガバナンス・・・AIがやればいいのに

です。結局AIまで行きつくまでに、人間が泥臭い仕事をしなきゃいけないのですが、それをAIができないってのが、明確な今のAIの限界だと思います。

 

もし、AIの常識、みたいなものを確立していっている今の現状が長く続くなら、それはもう人間のシミュレーションじゃなく、人間の情報処理プロセスのごく一部のシミュレーションを拡大解釈したもの、としか言いようがないなあと思います。

まあそれはそれで画期的なんですが、私は「AIを使い物にするために必要な人間のプロセス」というのが大嫌いなんです。どうにかならないものですかねえ。