orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

紙の新聞が無くなるときはいつか

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紙の新聞はいらないや、と思ったのは2000年の初頭のころでした。私はインターネットの始まりからインターネットにいるし、まだオフィスに通う日々だったので家に紙媒体が届いたところで読む時間もない。また、家に帰ってから朝の新聞を読んでも何も面白くもない。結論としていらない、と思い続けていました。

アメリカでは、もはや紙の新聞の発行部数は半減し、デジタルオンリーになる会社が続々と登場、と言う状況のようです。

 

jbpress.ismedia.jp

 米新聞業界がのたうち回っている。

 SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)の台頭でカネとヒトと時間をかけて取材した獲物(ニュース)はほとんどタダ同然でもっていかれる。カネをかけて刷り、配る「紙」(新聞)は読者離れで部数は減る一方。

 過去7年間で発行部数は軒並み半減している。

 中小のブロック紙や地方紙はヘッジファンドに買収されては本体を吸い取られては捨てられるか、廃刊に追い込まれている。

 

なお、上記は会員登録しないと読めませんが、Yahoo!なら今は読めます。

 

news.yahoo.co.jp

 

さて、日本はどうなっているのでしょうか。データはあります。

 

www.pressnet.or.jp

 

ざっくり言って、2000年には5300万部あった発行部数は、2020年に3500万部まで落ちた。34%減という数字だがアメリカに比べるとまだ緩やかだと思うが全然底打ちの気配がない。だんだん新聞各社は体力を削られ、原価や経費を減らしたりサービス内容を減らすことを恒常的に取り組まなければいけない状態に追い込まれていると思います。

新聞をデジタル化し収益を補えばいいのですがうまくいっていない印象です。

今日、朝日新聞の値上げのニュースを受け取りました。

 

nordot.app

 朝日新聞社は10日、朝夕刊セット版の月ぎめ購読料を7月1日から363円値上げして税込みで4400円にし、朝刊のみの統合版は407円上げて3500円にすると発表した。消費税増税時を除いて値上げは1993年12月以来、27年7カ月ぶり。販売・広告収入が減る中、経営努力が限界に達したという。

 

まあ、経営努力が限界、と書いてありますからね。

そもそも朝日新聞はどのような決算状況だったのでしょうか。

 

www.asahi.com

 朝日新聞社が30日発表した2020年9月中間連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上高が前年同期比22・5%減の1390億9千万円、営業損益が92億9100万円の赤字だった。業績の動向などから、将来の利益を前提に税金の前払い分を資産として計上する「繰り延べ税金資産」を取り崩したため、純損益は419億800万円の赤字となり、中間決算として9年ぶりの赤字となった。

 単体の決算も営業損益が87億5600万円、純損益が408億4500万円の赤字。本社は、コロナ禍の影響拡大を受けて緊急の収支改善対策を進めている。事業構造の改革も推し進めてデジタル事業を伸ばすことなどで、21年度の営業黒字転換を目指す方針。

 

www.asahi.com

 朝日新聞社が26日発表した2021年3月期連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上高が前年比16・9%減の2937億7100万円、営業損益が70億3100万円の赤字だった。業績の動向などから、将来の利益を前提に税金の前払い分を資産として計上する「繰り延べ税金資産」を取り崩したため、純損益は441億9400万円の赤字となった。赤字は11年ぶり。

 

・・・と、朝日新聞に掲載されていました。

 

どちらの記事も「中期経営計画」で営業黒字化すると書いてあるので、ここに未来が書かれていそうな気がしました。・・・が、これ、公開されていないんですよね。残念。上場していないので手の届かないところにありそうです。

 

ただ今後の指標を示す記事はあって、ほぼ結論が出ているようなものです。

 

news.livedoor.com

従来型の4マスメディアの中でも、文化形成の象徴であると自認し、昨今では消費税に絡んだ軽減税率の話の中で大いにその意義を再認識させることとなったのが、メディアとしての「新聞」。雑誌同様にデジタルツールの普及侵透に伴い、紙媒体の弱点が露呈される形となり、利用者の減少とともに業界規模は縮小し、売上も低迷している。今回はNHK放送文化研究所か2021年5月21日に発表した2020年国民生活時間調査の報告書を基に、新聞の購読状況の現状と、過去からの推移を確認していくことにする(【発表リリース:「2020年 国民生活時間調査」結果概要】)。

 

まあこの通り、紙の新聞は、圧倒的な高齢者の支持によってなりたっています。だから、値上げって言うのはこの層に対して課金額を上げるということですよね。

以前、少子化の話を書きましたが、

 

www.orangeitems.com

そうなんですよね、超高齢化社会のその後って、超高齢な人が大量にいらっしゃるということを暗示していて、その人たちは自然に亡くなっていく。

少子化のことばかり皆気にするけど、この事実に注目する人はあまりいないと言うこと。

 

この、多死社会において、紙の新聞は今後二十年で支持層を急激に失っていく。これは残念ながら間違いない事実だと思います。

いや、そのとき今の四十代五十代が高齢者になっていくでしょ・・、って、そのときはデジタル高齢者になってますからね。紙の新聞、いらないですよ。

 

おそらく日本は超高齢化社会だったので紙の新聞がギリギリ持ちこたえたけれど、今後は恐ろしく厳しい。アメリカで起こっていることが未来の日本だ・・と理解すればよいのではないでしょうか。