orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

非常勤職員がデジタル庁を動かせるのかって話

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採用情報|内閣官房

 

ITエンジニアなら誰しも興味を持ったと思うのですが、デジタル庁の話題。立ち上げに非常勤職員を雇うそうです。

 

www.itmedia.co.jp

 募集するのは、政府の情報システムの企画や整備に関するプロジェクト担当(11人程度)や政府共通で使用するネットワーク関連のプロジェクト担当(15人程度)、情報システムのクラウド化に向けたデジタル・インフラの構築担当(4人程度)など。デジタル庁の民間人の採用を担当するリクルーターも募集する。

 非常勤職員として募集し、週3日程度の勤務を想定。テレワークや兼業も認める。給与は業務内容や採用者の経験により変動するが、年収換算で700万円から最大1千数百万円程度とする方向で調整中。

 

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IT人材の不足は500人規模での発足を目指すデジタル庁にとってもハードルとなる。兼業やリモートワークを柔軟に認め、優秀な人材を確保したい考えだが、年収の目安は700万~千数百万円程度と民間に見劣りし、必要な人材を確保できるかは見通せない。人材底上げには「米国のように有能な人が官民を行き来できる仕組みが必要になる」(野村氏)。

 

私もIT人材ですが、今回の募集については、ちっとも食指が動きません。

というのは、これ、「非常勤職員」ですよね。

大半のIT人材は正社員として、安定した生活が保障されています。それを投げ打って、政権の状況でいつ辞めるというかわからないデジタル庁案件に、非常勤として勤めるイメージがさっぱり浮かびませんでした。

どこかのコンサルが、会社に所属したまま兼業として、こういうプロジェクトに初期参加しイニシアティブを取るような動きが堅実なのかなと思いました。

もしくはすでにフリーランスで動けていて、業界にて知名度が高いインフルエンサーに近い人材か。政治的には声の大きい人は必要でしょう。

ただ、この非常勤職員というのが私は気に入らなくて、結局は、花火大会のために集められた業者の寄せ集まりであり、大会が終わったら散り散りになるんだろうなと言う未来しか見えません。

今後の進め方として「デジタル職」なる職域が常勤職員(国家公務員)に設定され、その方々中心にデジタル庁は運営されていることになるのだろうと推測します。

それならそれで、常勤職員が揃い組織が形成されるまでスタートは待つべきで、なぜに非常勤職員だけ先に雇ってしまうのか、かなり疑問に思いました。

ハンコやFAXなど実装のことばかりが揶揄されるこのデジタル化の議論ですが、本来は以下のような観点が必要なはずです。

・政府における権限の問題(デジタル統制)
・ソフトウェアの最終的な理想形がどうあるべきか(グランドデザイン)
・運用の理想形(機密性・可用性・完全性)

非常勤の立場でいくらぶち上げても、かなり実装技術の方に話が流れてしまうのではないか・・と。上記は国家としての責任を背負わないとまとまらないので、常勤職員の設定こそまず最初にするべきではないか。

とにかく実績づくりのために、まずはリクルートを始めてみたようにしか見えず、各既存の省庁が現場で今まで通りの運用をしているのはしばらく何も変えられないのではないかと感じています。

むしろ、今現状の各官庁のシステムを一括でデジタル庁に移管し、人も無理やり異動させるくらいでないと、現実に即した形にはならないのでは・・と。

 

ま、もし非常勤ではなくて、一生食べていけるようなキャリアパスを提示してくれるのなら考えないこともないですが。そのためにはこの「デジタル職」の公務員試験について、民間の人が気軽に受けられるようにしないとダメでしょうね。

まぁ、情報処理技術者試験が本来はそれに値するべきだとは思うのですが、単なる経産省管轄だけの小さな国家資格に過ぎないのであれば、これって何のための国家資格なの?と訝しくもなります。