orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

SES、自社サービス、請負 ITエンジニアの立場を考える

f:id:orangeitems:20201120144429j:plain

 

ITエンジニアといくつかの選択肢

昨日の記事でITエンジニア、求人倍率6倍ってのを知って、今IT業界に入りたい人が続出している理由を知ることができました。

そこで、「なろう!」と思ったときに、いくつか選択肢があると思います。

①SESや派遣契約で、他社に常駐する
②自社サービスを正社員として実装する
③ユーザーの仕事を直接請け負う。

①についてはよくSESでひとくくりにされます。②は自社開発。③はプライムと呼ばれます。③を大きな会社が受けて、その下に①を使って人集めされるパターンも健在。むしろその方法が一番ITエンジニアになりやすいのは今も昔も、でしょう。

私は全部の経験があります。今、流れ流れて③をやっていますが、どこにもアウトソースしていません。全部自社で自己完結しています。

大昔のITの仕事はたくさんの人数が必要だったのですが、クラウドの進化で、Webでポチポチっとやるとできてしまうので、自己完結まで可能になりました。

いわゆるプレイングマネージャーの立場です。

こう言っては何ですが、ITインフラの仕事は責任重大過ぎて、アウトソーシングする気になれないのです。

さて、この3つ立場について、それぞれやってみた感想をまとめます。

 

選択肢考

①SESや派遣契約で、他社に常駐する

これは、もう二度とやりたくありません。

しかし、私のスキルを作っているのは、この経験です。

他社の方に良くして頂き、かなりのスキルを身に着けることができました。

技術論だけ言えば、自社だろうが他社だろうが関係ないです。技術に所属会社は全く関係ありません。ですから、技術スキルを磨くことは共通言語ですから、技術力があれば会社を超えて仲良くなることは可能だと思います。

自分の会社に優秀な人がいて、かつその人の近くで学習できる機会があれば幸せですが、必ずしもそうはいきません。中小企業においてはむしろ入社したら人間関係は限られてしまいます。優秀な人が周りにいなければ自分しか頼れないのですが、優秀な人と接することができないと成長も限られてしまいます。

したがって、他社常駐でいくつかの現場を経験するのは、私は捨てたもんじゃないと思います。

未経験のうちは。

とりあえず、IT業界の土俵に立ちたいのだけど、経験がなく、専門の会社に入るのは難しい。であれば未経験でも現場に入り作業をしながら知識や経験に触れられるのはこの選択肢の長所だと思います。

一方で、未経験のうちは、と言いました。スキルが伸びた後に大きく感じる他社常駐のストレスは、「結局はサービスに対して責任を負わないこと」です。責任はユーザー側もしくは元請側が負うので、もし著しく成功したときでも、報酬が上がることはありません。「君を重宝してるよ」とは口ではいいますが、単金が跳ね上がることなどほとんどありませんので、現場を変えるなどして再契約して単価を上げていくしかありません。

しかし、単価を上げるにしてもユーザーのビジネスと直結してはいませんから、上限が決まってしまっています。もし、自分が書いたコードでユーザーが100億円儲かったとしても、自分には一人のSESとしての単価しかありません。

ということで、この契約形態は、技術を付けたところで卒業し、②や③に移行するのが吉だと思います。

 

②自社サービスを正社員として実装する

自社サービス系だと、自社サービスがバズれば給料も上がります。素晴らしい。

他社常駐とは違って、自分も自社の一員ですから、サービスが成功すれば評価も上がりますし給与も上がります。

一番辛いのは、自社サービスのビジネスがうまく行かなった時です。

すごくいい実装をしたのに、革新的な技術を使ったのに、すばらしくメンバーを取りまとめたのに、サービスが外れたら、報酬も増えません。

技術を大切に、なんていう企業も、給与の原資が無ければお金を配れません。

成長を求めてSIerからユーザー系企業のSEとして入社したのに、仕事は社内SEであり社内のパソコンの管理に追われ・・、結局スキルを伸ばすどころか、非IT社員の面倒を見るだけ・・・というパターンもあり得ます。

自社サービスというのは自社のビジネスの源泉ですから、いきなり主役になれるかというと微妙な話です。いきなり主役、いきなり勇者なんて会社は、結構傍からみるとリスキーです。

自社サービスを支えるITエンジニアになるためには、会社からの信頼を得ること、根本となる技術スキルを持っていること、そして自社サービス自体のビジネスが成功すること、という条件が全て揃うことが重要です。

こういう企業に新入社員として入社すると言うことは、この会社が技術者のキャリアパスまでサポートし、最終的に自社サービスを開発できるITエンジニアになることを約束するのと同義だと思います。

しかし、新卒採用から漏れた場合には、中途採用になりますがその場合は既に技術スキルがないといけません。そして入社したらできるだけ早く活躍しないと、仕事が無い状態になってしまい、会社のお荷物になってしまいます。

ということで、技術で生きたいと思っている人には、ビジネス感覚・会社人としての才覚まで必要となってきますので、要注意、だと思います。

入社したらむしろ、ビジネス感覚の方を求められてびっくりする人も多いのではないでしょうか。

新卒でもなく、未経験で・・と言うのはなかなか敷居が高いのではないかと思います。

 

③ユーザーの仕事を直接請け負う

いわゆるプライム、と呼ばれる技術的な仕事を、SESや派遣のような人材を受け渡すような方式ではなく、仕事の成果自体を金額で受けるやり方です。

プライムの仕事って昔はかなりリスクが高かったのです。オンプレミス環境での構築が主だったので、案件自体が数億~数十億、もしくはそれ以上となるケースもあります。かつ完成するまでお金が支払われないので、完成しないときにはお金も入らないばかりか損害賠償まで考えなければいけません。

しかし、今ではパブリッククラウドが一般化し、機械を買うための大きい金額が不要になりました。小さな案件であれば、小さな会社でもプライムで受けることが可能になったため、このタイプの会社も徐々に増えていると認識しています。

このタイプの働き方の場合、自分の技術が直接ビジネスを左右します。自社サービスの下支えではなく、仕事そのものが報酬ですから、「人件費」ではなく「技術料」が単位になります。従って、技術の高度さや希少さも単価に跳ね返っていきますから、例えばAIや5Gなど先端技術であればそれだけ報酬も跳ね上がります。

このタイプの会社に、未経験で入れたときは、チャンスもあるのですが周りの環境によって成長に幅が出ます。素晴らしい人と巡り合えれば、ビジネスの成長と技術力のアップが両方体験できます。一方で、技術力もイマイチ、顧客対応力もイマイチ、そんな会社に入ったとすると、報酬もスキルも不満が溜まる一方になります。

一方、スキルや経験がある人は、こういう企業でリーダーやマネージャーも務めることができるので、整ってない会社であっても逆にチャンスがあることもあります。

また、大型のSIerで、大型のプライムの仕事の上流工程を経験する、という選択肢もありますが、これは未経験では無理だと思います。新卒で入って基礎から学ぶか、それともスキルを磨いて即戦力で、と言うパターンかと思います。

 

結論

IT業界は、上記や上記にも含まれていないいろいろな選択肢によって、複雑怪奇に構築されています。そこに未経験者が入るときに、「SES vs 自社開発」とか「Web系 vs SIer」、その他プログラマー、システムエンジニア、インフラ、クラウド、セキュリティーなどいろんな区切りがあって戸惑うことと思います。

ただ、一番いい方法は、その人の状況によって全く変わってきます。一概にどれがいいなんて言うことができる人はいません。

今はSNSもあるので、経験者に話を伺い、どの道が良さそうなのか情報収集をするのが良いと思われます。実際に経験した人しかわからないことが多い世界ですから。