orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

以前、人様の会社の中で働いた感想

 

私のキャリアのスタートは、他社常駐でした。入社した会社のオフィスに通うのではなく、そこからSESだか派遣だかで送られた、別の企業で働くことでした。

社員の9割近くはそうやって他社のビルに行って、机と椅子が与えられて協力会社として働く働き方でした。

現場を転々としながら、14年近く働いたかな。

今の仕事はそうではなく、自社の中で完結しています。過去の他社オフィスでの仕事というのはかなり勉強になる体験でした。

勉強になる、と言っても気づいた問題点の方が多いけど。

まずは、評価の問題です。他社で働いたときの働きぶりって、他社の社員さんしかわかりませんよね。その社員さんは技術者なんですが、でも、自社の営業って他社の管理職やら営業さんやらとしか接点がないので、直接評価が届きにくいんです。

そりゃ、自社の中にいないんだから、届かなくって当然だと思います。ざっくり言えば顧客の評判しか評価基準がないので、自分の仕事ぶりを理解してくれる人が誰もいないという状態です。

そうなると、いくら現場でがんばって褒められても、人事評価につながらないということになります。結構仕事を続ける人は、評価うんぬんより、常駐している先の現場が心地いいみたいな理由の方が多かったりします。派遣と似ているのかもしれませんね。

後、独特の疎外感ですね。他社の社員さんたちは自社の中なので、社内の行事でわちゃわちゃしているんですが、こっちは黙って仕事しないといけません。いつも同じような仕事をしているのに、階級が分かれているというのはどうにもこうにも寂しい感じでした。

常駐先では、自社は私一人のこともあれば、自社の同僚が一緒に仕事することもありました。でも、一体感は出しずらかったです。現場のチームの一体感みたいなものが優先されがちでしたから・・。むしろ他社の社員さんと仲がいい方が格の高い行動だったな。だって、仕事の継続につながりますからね。

こんな状況なので、お仕事としては、一定以上のステップアップがしにくい身分でした。重要で責任がある仕事はもちろん他社の社員が持っていくようになってますから。こっちは雇われの身。戦場における傭兵部隊のようなものです。他社の社員は、その国のナイトみたいなもんですかね。

30代半ばくらいのときに、ああ、この他社常駐の業態にこれ以上いたら駄目だと思ったわけです。やっぱり、自社で事業を起こして責任を持たなければいけない仕事じゃないと、風に吹かれたまま社会人生活が終了してしまう、と。ということで転職活動をして、現職におります。

適性など人それぞれで、前職のような立場、フリーランスでどこかの会社をお手伝いするという方が好きだと言う人もいるでしょう。良い点としては、いろんな種類の仕事を次々と経験できるということです。現職の仕事は、自社の業務であり、かつ私が責任を持っているのでおいそれと投げ出すことはできませんから。

何が正しい、なんてことはありません。いろんな立場がありますが、人によって全く感じ方が異なるため、何らかの単純な評価に落とし込むのはかなり無理があります。20年前から問題があるあると言われて久しいSESですら、多重請負ですら、今でも無くなっていないのが現実です。無くなっていないということは、存在理由があるということです。

大事なことは、自分の適性とタイミングを見計らって、適切に行動することに尽きると思います。もし迷っているなら情報収集だけでもした方がいい。今の自分の状況が最適かどうか・・手持ちの情報だけで決めるのは、実は危険なことかもしれませんよ。