orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

オフィスで働くということ

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ずっと閉まっていた行きつけの床屋がついに開店したというので先ほど行ってきたのですが、ものすごく警戒されているようで、いろんな工夫をされておりました。まず、待機用の長椅子には必ず一人分空きが開くように張り紙を席に添付。待っているお客さんは必ずマスクをすること。もし長椅子が埋まるようなら外で待ってもらう。入口は常に開けて換気を行う。理容師さんはマスク着用のうえフェイスガードもする。一人のお客さんの散髪が終わるたびにアルコールで各所を消毒。荷物は理容師さんは触らずお客さんが直接鏡の裏にしまう。などなど。

この数か月で日本人が得た財産って、もしかしたら感染症に対する防衛知識なのかもしれないと思いました。家にいてテレビやネットで散々知ったはず。何がダメなのか。どうならいいのか。そうやって得た知識をいかにこれから、働くということに還元していくか。それぞれの行動が「新しい生活様式」なんて言葉に反映されるのかは知らないのですが、一人一人が知識を得たことで、行動は変わっていきそうです。

一億二千万人と言われる日本において、それぞれが知識を持ったとすれば、相当に社会での人の行動は変わって然るべきです。そうやってこれから活動していくんだと信じています。

 

さて、だからと言って、現在の状況を逆手に、極端なことを言いだす人が多くなっているように思います。

 

www.itmedia.co.jp

新型コロナウイルス対策のため、都心部を中心に急激に浸透した在宅勤務。中にはIT企業やベンチャーを中心に、「コロナ後」もテレワークの継続に舵を切った結果、本社オフィスを“消滅”させる動きが進んでいる。「職場」は本当に要らないのか。意外なメリットとは?

 

business.nikkei.com

 事業のことを考えると、緊急事態宣言という強制力がなければ、戻らざるを得ない。しかし、ここで戻ってしまう企業は、第2波による再度の緊急事態宣言が出された場合、再び今回のように「仕事が進まない」状況に陥ることになる。新型コロナウイルスだけではない。台風による交通障害や、大きな地震が発生した場合も同様だ。

 「全員出社に戻る」企業は、今後どうなっていくのか。その危機感を持ってほしい。

 

私自身がどうも感じているのが、この緊急事態宣言下の方がトクをする人たちがいる、ということです。この状況下だからこそ主役で居られる。しかし元に戻ると昔のようにわき役に戻されてしまう。昔に戻ってはいけないというのが本当に目的が伴っていれば良いのですが、単にビジネス上の理由である可能性もあります。

緊急避難的にやってきた様々なことを、第二波が来ることを前提に再度評価していく必要があります。時差出勤などを利用して登校日的な出社日を作って、顔を突き合わせて議論してもいいでしょう。この数か月で学んだことの中で、これから便利に使っていくもの。これは長続きしないもの。やめとけばよかったもの。機能したもの。吐き出したい思いはそれぞれの社員にたくさんあるでしょうから、一度シェアするべきです。

そう、二度目があるかもしれないからです。

一度目についてはどの企業もバタバタしながら対応していったでしょう。しかし次は、もっと準備ができるはずです。その準備はもっとロジカルに対応できます。

それはもっと、当事者で考え、納得して次に進められる猶予を、自粛生活で我々は勝ち取ったようなものなので、次にやるべきは第二波に備えることです。

緊急避難的に実施していたことを、あたかも新しい常識(ニューノーマル)としたがるのは、一部のITベンダーだと思います。一部のツールが売れたのは事実ですからね。ただ、掴まされてはいけません。今後、自社がまたリモートで廻さなければいけないときに何が必要なのか。それは新型コロナ以前に言われていたDXとは違うものになるような気がしています。

去年までのDXの神髄は、アジャイルだったと記憶していますが、リモートでスクラムが本当に組めるのか。スクラムをまわす集中力をリモートオンリーで醸成できるのか。信頼関係はそこに生まれるのか。それは過去の信頼関係にすがっているだけではないのか。リモートでしか会ったことのない人達とスクラムは組めるのか。

むしろ、まだウォーターフォールの方が、リモートではプロジェクトマネジメントしやすいのでは。上流から下流へ、手戻りの無い手堅い開発手法のほうが、安全な成果物ができるのではないか。

アジャイルな開発手法を行っていたベンチャーが、出勤できない状況の中で、どんどん開発遅延していったのではないか。

そんなことを思うのです。

 

オフィスで働くと言うこと。

これは幸せなことだと思います。生身の人間同士が一つのところに集まって、コミュニケーションを送り合うことで大きな生産性が生まれるのは間違いありません。

これを、緊急避難的に、リモートでシミュレーションした結果、ある程度はできることはわかった。

ただ、これは一度立ち止まって、評価するべきです。

そのための時間が、日本人には与えられました。

第二波は来ると思いましょう。

そのときに何ができるかは、今日から考え始めるのです。

一度だけでいいので、ちゃんと集まって(マスクと換気はしてね)、議論しましょう。

メディアの極端なことを言う人に耳を貸す必要はありません。肩書を見て、テレワークに利する人じゃないか、確認しましょう。

当事者で、考え、今一度信頼関係を再醸成しましょう。

次のフェーズに入った今、考えるべきはこういうことじゃないか、と思います。