orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

Cloudn撤退、NTTグループの弱み、失政

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Cloudnの終了

小回りの利く中小企業にいると、NTTは何て無駄なことをしているんだろうと思うときがあるんですが、そんな一件です。

 

tech.nikkeibp.co.jp

NTTコミュニケーションズは2019年10月24日、パブリッククラウドサービス「Cloudn(クラウド・エヌ)」を2020年12月31日で終了すると発表した。今後は大企業向けの「Enterprise Cloud」へ経営資源を集中し、ハイブリッドクラウドやデータ分析など高付加価値サービスを訴求していく方針だ。

 

考察

NTTがやってるクラウドサービスと名がつくもの。

何個あるんでしょう。

NTTコミュニケーションズだけでも、Enterprise CloudとCloudnの二本立てですし、NTT PCコミュニケーションズにはWebArena。NTTデータは自前でデータセンター事業をやっていてプライベートクラウドと、AWS等のマルチクラウドソリューション。NTT東日本や西日本は、AWS利用を勧めていてフレッツでの足回りだけ。NTT docomoだって自社のIaaS基盤を持っている。

正直言って、カニバリゼーションです。

 

bizhint.jp

カニバリゼーション(cannibalization)とは「共食い」という意味で、市場で自社ブランド同士が競合してしまい、シェアを奪い合う現象を指します。

 

長年思っていましたが、まさに、この具現化です。

もっと例えましょう。Amazonコミュニケーションズと、Amazon PCコミュニケーションズと、Amazon東日本、Amazon西日本に別れ、それぞれ違うクラウドサービスを作って担いだり、実はNTTのクラウドを推したりしたら、不経済ですよね?

AmazonはNTTがグループ単位でごちゃごちゃやっている間に、One TeamでAWS帝国を作り上げてしまったわけです。MicrosoftだってGoogleだって、経営資源を集中して単一基盤として勝負しています。

それこそパブリッククラウドとは、世界にインフラ基盤をばらまきネットワークで接続することで完成するのですから、企業グループでカニバリゼーションを起こすのが無駄極まりない。

NTTの歴史的な経緯から言って、縦割りになるのは半ば必然であるとしても、分割した際の分業体制はもはや形骸化しているとしか言いようがありません。

政治の力で、NTTをone teamにしてくれないだろうか。

モバイルも、光ケーブルも、SIも、クラウドも、同じ地平線にいるのに、いつまで分業化の呪いにかかっているのか。

NTTが弱いから、KDDIやソフトバンクが伸びるかと思いきや、彼らもキャリアという「村」の中で既得権益を転がしているに過ぎない。国内の回線を牛耳るだけで安定的な利益を得られるため、冒険をしなくなっています。

本当のNTTが持っている潜在的な競争力を考えたら、海外パブリッククラウド勢に対する一大勢力になってしかるべきなのに、何をいつまでやっているんだろうという気がしてならない・・です。

富士通やNECと言った、国内SIerとも手を組み、日本発のメジャーパブリッククラウドを作ることができる能力があるのに、なんだか小さなNTTなんとかに別れて、今一つバリューを出せていないのがもったいないと思います。

 

失政

NTTは、SIerとして優秀なNTT DATAがあるし、モバイルはNTT DOCOMO、足回りもNTT東日本/西日本、海外との通信網はNTTコミュニケーションズと、相当なバリューがあるのですが、別会社として動いているし、一緒になって仕事するハードルがあるため困った状況になっています。

1つの会社にしちゃえないんですかね・・。そうすればAWS以上のことができる潜在能力があると思うんですが。むしろNTTの各社ページを見るとAWSの利用を推奨しているような雰囲気もあり(せめて回線だけでもほしいから)、残念です。

一方、一見規制のないKDDIやソフトバンクは、キャリア然としていて海外展開など臨めそうもありませんし、SIerとしては小柄です。

これって、私は日本のITにおける失政だと思っています。しかも長い間放置され、改革する機運すらない。

まがりなりにもNTTグループが黒字決算を続けているので、この失政が目立たないだけだと思いますがいかがでしょうか。