働く世代の負担が世界一
世界で一番、働く世代(25~64歳)が、65歳以上を支えている国が日本なんですって。
国連経済社会局は17日、65歳以上の人口に対する25~64歳の人口の比率を示す「潜在扶養率」が、2019年には日本が世界最低の1.8を記録したとの統計を発表した。少子高齢化の影響で、年金加入者である生産年齢層の負担が増している現状が浮き彫りになった。
就職氷河期の試練
就職氷河期世代の私もここ二十年実感しているところですが、収入に対してどんどん何か引かれていって手取りが減っていく!。
会社から評価されて、昇給!、なのに手取りは増えない。なんだこれ。
実は、給料の「手取り」はずっと下がり続けているという衝撃の事実があります。
下のグラフは、額面年収700万円の人の2002年から2017年までの「手取り推移」です。15年間でなんと50万円も減っているのです!
額面年収500万円の場合でも、35万円の減少です。
面白いですよね我々の世代。年々、支えなければいけない65歳以上が増えて行って、それで手取りはどんどん減っていく。
あげくは、年金だけじゃ足りないよ、2000万円?3000万円貯金しておきなさい、だって。
老後資金として、年金以外に30年間で「2000万円の蓄えが必要だ」と試算した金融庁の審議会報告書をめぐり、同庁が「1500万~3000万円必要」とする別の試算も行っていたことが18日、分かった。同庁は「医療費や介護費などで仮の数字を多く使用した」(幹部)ため、最終的には信頼性の高い総務省の家計調査を基に試算した「2000万円」を採用したという。
いや~、就職氷河期世代はそもそも収入がほかの世代より少ないんですよ。
正社員の給与は、「40代だけ減っている」ことが明らかになり、ネットで話題になっている。内閣府が25日に発表した「40代の平均賃金の動向」で、正社員の2015年~17年の平均給与を年齢層別に5年前(10~12年)と比べた結果だ。
正社員もそうですが、そもそも正社員の数もほかの世代に比べて少なかったりしますからもっとたちが悪い。
氷河期世代はバブル経済が崩壊し、景気が極度に落ち込んだ90年代半ばから00年代前半に社会へと出た。企業はこの頃、人件費の削減を目的に新卒採用の枠を絞った。その結果、大卒就職率は50%台まで低下。正社員としての就職は難しくなり、非正規の職に就く人も増えた。
産業構造の変化も非正規を増やす要因になったとされる。リクルートワークス研究所の豊田義博主幹研究員は「雇用ポートフォリオの7‐8割を非正規が占めるサービス産業が急拡大し、非正規の需要が増えた」と指摘する。
ああそういえば、正社員な人も、終身雇用が終わるんだったっけ・・。
直近の政財界の発言や動きを見てみると、経団連の中西会長が「終身雇用維持は企業にとってインセンティブがない」「これ以上の最低賃金の引き上げは企業がもたない」と発言。トヨタも終身雇用について維持が難しいという意見を表明した。富士通は45歳以上の従業員2850人あまりを対象に、早期退職や配置転換を実施した。NECも同様のリストラ策に取り組んでいるという。
いやあよくできていますよね。
逃げ場がないや。
つまり、こういうことですね。
(1)年々支えなければいけない人数が増え、今では世界一の比率になってしまった
(2)年々給与から引かれる何やらのお金が増え、手取りが上がらない
(3)政府から、老後は年金のほかに2000万用意しないと生きていけないと言われる
(4)そういえば、就職氷河期世代は他の世代より給与が少ないし、非正規の割合も多い。
(5)そして、さあ40代後半というときに、終身雇用が終わろうとしている
ということか。
笑えない事実です。
全く。
考え方を変えよう
冒頭の「65歳以上を支える、25歳~64歳」という図式がも無理なんですよ日本は。だって、日本人の平均寿命をご存知ですか?
2017年の日本人の平均寿命は女性が87・26歳、男性が81・09歳で、いずれも過去最高を更新した。20日に厚生労働省が発表した「簡易生命表」で明らかになった。
女性が87歳、男性が81歳ということは、平均を取って84歳です。
そういえば、子供世代(0歳~24歳)も支えなければならない。
・支えられる年代 ( 24 - 0 + 1) + ( 84 - 65 + 1 ) = 45年間分の人口
・支える世代 ( 64 - 25 + 1 ) = 40年間分の人口
ってことでこれは負担が多いぞと。支えられてる人、支えられ過ぎです。
やっぱり74歳までは働く世代にカウントしないと日本はやっていけないと思いますよ。再計算します。
・支えられる年代 ( 24 - 0 + 1) + ( 84 - 75 + 1 ) = 35年間分の人口
・支える世代 ( 74 - 25 + 1 ) = 50年間分の人口
これでようやくバランスが取れると思います。
そうすると・・・
・老後が75歳以降になるから、10年間分の蓄えがあればよくなる。だから3000万もいらなくなる。
・働く期間が増えるので、貯蓄しやすくなる。
・働く人が増えれば、所得税や住民税が増える。
・年金を75歳以上にすれば年金を支払う全体の金額が減るので、働く世代から取り上げる年金の金額が減る。
ということでいろいろ解決しそうな気がするのですよね。
結局のところ、平均寿命が延びて、働かない人口が増えたことが大きな問題だと思うのです。
負担感を持つより、考え方を変えて74歳までは支える方に回ると考えた方が世の中うまく回ると思うんですよね・・。
まあ、私もだから、今の65歳定年なんてそのうち75歳まで伸びると思ってます。
政府には将来的に75歳まで定年を引き上げるシナリオもあり、今後、「超高齢化社会」をどのように形づくっていくのか、様々な意見が飛び交いそうだ。
お後がよろしいようで。