はじめに
RPAが非常に盛り上がっています。今月だけでも、RPA DIGITAL WORLD 2019が国際フォーラムで開かれたり、Automation Anyware社が主催するImagine TOKYO 2019が品川プリンスで開かれたり。両方私は行きましたが、大変な盛り上がりでした。Imagie TOKYO 2019については、裏でAWS summitやInteropが海浜幕張で開催されていたにも関わらず、会場は人の山でした。RPAへの期待や関心の高さが感じられました。
一方で、RPAベンダーもたくさんあります。展示会場に行ってもたくさんのブースがあってどれが何で、何がどれなのかよくわからないと言った状況にあります。
まずは、国内市場がどんなプレイヤーによって成り立っているのか知る必要があると思います。長い目で見ればたくさんのプレイヤーが乱立する時代はだんだんと、何社かの寡占になっていくものと思います。そのときに、自分が選んだベンダーが中心にい続けることができるのかが大事なポイントとなってきます。
というのは、社内にRPAを導入し、たくさんのロボットによって仕事が回るようになったとします。一方でそのRPAベンダーの市場シェアが現象し、最後には保守を打ち切ってしまった場合、大変なコストになると予想できます。
RPAを導入したい。そうした場合に、市場を勝ち抜き自社を長くサポートしてくれるベンダーを選ぶことが最も大事です。まずはプレイヤーを覚え、個々のベンダーの長所や苦手なところを把握していきましょう。
私も、現在仕事でそのような立場にいるので、勉強を兼ねて本記事でまとめていきます。
なお、調査に当たっては、RPA BANKの下記記事を参考にさせていただきました。
ベンダー一覧
調査してわかったのが、RPAという言葉自体は新しいのですが、作業を自動化するという概念は大昔から存在していたということです。
ここにきてRPAというキーワードで花開いたように見えます。
それぞれ紹介していきます。なお、絶対私が使わなそうなRPAベンダーについては、一覧から除きました。
私もこの中から選ぶ予定です。
WinActor
RPAと言うと初めに思い浮かぶのがWinActorです。NTTグループの会社に相談すると必ずこのソフトウェアを紹介されるでしょう。また代理店もたくさん存在しています。
試用版のインターネット配布は行っておらず、まずはベンダーに相談、から始まるスタイルのようです。ソフトウェアを買うというより、導入をふくめてSIを受けるようなイメージのように思われます。社内にシステムエンジニアがおらずRPA全体をアウトソースするのであれば、こなれた対応を受けられると思います。
また、アーキテクチャーとしては、デスクトップ型、もしくはサーバークライアント型です。基本的にはオンプレミス導入が前提となると思います。
Blueprism
RPAの元祖、と言える存在とのこと。イギリスが本社の会社です。
日本法人としての取り組みはまだこれからの印象で、過去のBlueprismの導入事例を見るとパートナーが絡んでいる様子です。
グローバルでの実績は十分なので、先進的な日本企業は導入しています。しかし、日本でのシェアを伸ばすためには日本語ホームページの情報を強化したり、営業力の強い日本のパートナーを味方にするなどが重要だと思います。また、無償のeラーニングなども必要でしょうし、できれば無料版も出してほしいところです。
ちなみに日本では、RPAテクノロジーズがBlueprismを担いできたのですが、最近はBizrobo!をメインにしているので今後は取り扱わない方針なのでしょう。RPAテクノロジーズと言えばBizrobo!だと思っている方は結構意外に思われるのではないかと思います。
アーキテクチャーはサーバークライアント型で、エンタープライズ向けのソリューションであり、金融などコンプライアンスの厳しい分野に向いているとのこと。ベンダーに連絡すれば二カ月の試用版が手に入るようですが、ここもSI前提となるのではないかと思います。
Automation Anywhere Enterprise
ソフトバンクグループのビジョンファンドが入っていて、日本法人が大幅強化されると話題のAutomation Anywareです。
不満なのが、ホームページの日本語化がいまいちで、ブログカードを作ろうものなら上のように「You are bing redirected...」ですって。
ホームページだけ見ていると近づきにくそうなんですが、日本法人の急速な立ち上げで来年までに大変革しそうです。もともとソフトバンク系の営業力は高いですからね。
ソフトバンクGもAutomation Anyware Enterpriseで社内の生産性向上に取り組んでいるらしく、日本での実績もそこで溜まってくるのではないかと思います。
Imagine TOKYO 2019で聞いたところによると、Community Editionがあり、小企業むけならば無償で利用できる。また、次バージョンではSaaS化されるとともに、クライアントはロボット実行モジュールだけであり、Webブラウザですべて完結すると夢のような話を聞いています。また、Automation Anyware Universityという自習サイトも立ち上げ、これも日本語化して出すと息巻いていました。
でも日本語のページで、Community Editionにも行けなければSaaSへのリードもないので、とりあえず様子見です。日本法人の急速な立ち上がりを期待します。
Imagine TOKYO 2019で発表したことが実現できれば、相当強いプレイヤーになると思います(実現して!)。
Bizrobo!
米Kofax社のRPAツール「Kofax Kapow」の日本語版OEM製品、と言いつつ、RPAテクノロジーズがBizRobo!というネーミングでリブランディングしていて、かなり日本の製品っぽい印象を受けます。
ホームページもきちんと日本人向けに仕上がっていて好感が持てます。
デスクトップ型、サーバー型、クラウド型と、状況に合わせたアーキテクチャーを選ぶことができ、ホームページから無料トライアルの申し込みも受け付けています。
従量での価格体系も準備されていて、目を通した中では最もとっつきやすいなという印象です。特にクラウド型については興味があるところです。サーバー運用をしたくないので・・・(ヘビーに使うなら、Bizrobo! BasicをクラウドのOSで起動するのもありか・・)。
UiPath
こちらはアメリカの会社ですが、日本法人がかなりきっちり立ち上がっている印象で、ホームページからかなりの情報を引き出せます。
無償のCOMMUNITY EDITIONも利用でき、始めやすい。無償トライアルも申し込めばできます。
デスクトップ型、およびサーバークライアント型で利用可能。
あと、UiPathアカデミーという無料のeラーニングも備えています。
Automation Anywhereもこういう風にしていきたいんだろうなという手本みたいなサイトになってます。
実績も豊富だし、茨城県庁での実績はこの前有名になりましたねえ・・。
必ず選択肢に入ってくるベンダーです。
まとめ
実はまだまだRPAベンダーはあるのですが、この5社で寡占となりそうな気がしたので厳選させて頂きました。
私自身はインフラエンジニアでありクラウド利用者なので、サーバークライアント型であればサーバーをクラウドに置くことで、SaaS的なアーキテクチャーにはできます。ですからこの5社は全て選択肢に入ります(通信経路暗号化前提)。
一方で、無償のeラーニングやトライアル、Community Editionなどに取り組んでいること。また、日本語化を徹底的にしてくれている企業を支持することになると思います。
私は導入ベンダーやSIerとは付き合うつもりはなく、直接取引でライセンス/サブスクリプションを仕入れて内製したいなあと思っています。
そうするとまた絞られてきますので、そこで実際に試して評価してみたいなあとも思います。
ここ最近、RPA市場にはたくさんお金が市場に入ってきて機能強化が著しいので、実はこれから始めるくらいがちょうどいいのではないか、と思っています。今までのRPAで苦労した方はもう一度情報を取り直した方が良い時期とも思います。
今後も注目していきます(というより仕事でやる!)。