orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

僕らはパソコンで何をしたかったんだっけ

 

私のパソコンとのお付き合いは、もう40年になる。小学校低学年の私にシャープのMZ-700を気まぐれに与えた親の気持ちは今一ついまでもわからないが、そのおかげで食べられている。

あの頃のパソコンと今のパソコン。案外形は似ていてね。ディスプレイがあってキーボードがあるのは同じ。違うのはマウス。そしてグラフィカルユーザーインターフェースであること。そしてマウスがあること。ただ、40年前の人が今のパソコンを見ても、はあ、ディスプレイがすごく薄い!以外はそこまで形状にサプライズはないのじゃないか。まあモバイルノートパソコンやらスマートフォン・タブレットになるとまた違うけど。

で、このパソコン、大昔はベーシック言語しか動かなったのだけど、それでもすごく子ども心に執着した。見よう見まねでプログラムを入力しては動いたものに感動していた。そこからパソコンゲームがやってきて、コンピューターの世界の素晴らしさを知った・・ぐらいの記憶は残っている。

ただ、それがしたいあれがしたい、というのは後付けで、とにかくキーボードを叩いて画面に何かが出るのが楽しかったっぽい。そのうち音楽が出たりグラフィックスを描けたりと段々できることが増えて行くパソコン世界の奥の深さは夢があった。

大きな変化が訪れたのは、もちろんWindows 95の登場とインターネットだ。操作が人間に優しくなった、と思ったのがまず先。そこにインターネットがつながった。当時はパソコン通信が主役で、インターネットなんてオモチャかなと思ったら、Webブラウザの先にたくさんの情報が日々広がって、追いかけるだけでも楽しい時期が1990年後半だった。基本的には「無法地帯」だったけど、バブル崩壊直後で世の中が暗かったのもあって、何とも次世代を感じることができていた。

インターネットにつなげたら、たくさんの人の知恵が転がっていて、見れば見るほど賢くなれるのでは・・と思ったあの頃だった。さて、そんな世界になっているっけ?。今や、どのサイトを開いてもWeb広告だらけになり、最近は「このサイトは広告収入でなりたっています・・・広告を見たら記事が見られます・・・[広告を見る]」みたいな全画面広告まで出る始末。あれ、パソコンって、広告をみるための道具だっけ?。

そうそう、むしろWeb広告って、一時期までは個人がインターネットに情報を展開するために相当機能していたと思う。最近この状況が壊れたのは、1つはAIによる質の低いコンテンツの急増なんだけど、もう一つある。あのCookie規制だ。広告がパーソナライズ(個人に合わせる)することができなくなってきた。だから、個人の嗜好とのマッチングが急低下して、わけのわからん広告が出てきてまずストレスになる。それで誰も見ないので、今度は全画面広告を導入して無理矢理消費者に見せてクリック数を増やすみたいな、変なことになっちまったと思っている。

正直、個人がサイトを作ってWeb広告を入れちゃうと、Web広告にコンテンツを汚されてしまうのですな。しかももう広告なんて見る人もいないから成績も激減。ということで、インターネットは、無事壊れつつある。

もう一度、初心に戻って考えたい。このパソコンって存在、そもそも何をしたかったんだっけ?。