orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

年齢構成がせり上がり、AIがないと社会がまわらなくなる

 

20代はジュニア、30代は中堅、40代はシニア、50代はエグゼクティブみたいな発想を人々はまだ持っていないだろうか。この思想はおそらく早晩に終了する。日本は人口減に向けてまっしぐらなのだが、都会はそう見えないように田舎から人間を吸い上げて成長してきた。しかし吸い上げる人間自体が田舎から消えつつある。田舎が消えている。そしたら、もう会社も社会基盤に乗っかって、これまでの人事制度を保つことができなくなる。

今、若手のチームを形成できるなら、それは宝物にすべきだ。若手にはまだ何十年もの未来がある。ぜひ厚遇し、将来の責任をしっかり背負わせてほしい。その代わりに他社に引き抜かれない目いっぱいの待遇をして、しばらくの時間稼ぎをするべきだ。

時間稼ぎと言っているのは、あと10年もしたら確実に若手の確保ができなくなるのが明らかだからだ。その時間の間に、AIを駆使して少人数でも会社がまわるように、たくさんの会社が企画しているであろう。人手がいらなくなれば、入れる若手もしぼっていけばいいから問題がやや解決する。

もし、若手を集められない!となったらどうすればいいか。これが冒頭の話につながるのだが、もう中堅層を50代ぐらいまでに引き延ばして、50代が手を動かすのが普通、と開き直るのも手だ。私はもうすぐ50に手が届くが、ちょっと年上の先輩たちが言っていた。「50代はもっと、上から仕事を見て手を動かさないイメージだったけど、最近は自分で手を動かさないと仕事がまわらない」、と。そういう姿を見ながら、50代になってもこれは、結局手を動かさないといけないんだな、と覚悟を決めたものだが、いよいよ社会全体がその方向に向かっているように見える。

50代は中堅・・、というこの国独特の仕事観、だ。

私の世代などはまだ、過去の会社観の上で仕事をできていた方になると思う。今の20代30代はきっと思い知る。いつまでも中堅。何年経ってもジュニアの部分まで自分たちでやらねばならぬ、それは、新しい人が入ってこないから。

過去は「移民」によって外国人になんとかしてもらおうという魂胆もあったが、国は円安思考で、それも諦めたように見える。わざわざ賃金が安い日本に来て働いてくれる外国人は少ないだろう(外資なら外資の給与で、かつ物価が安い日本ということで来てくれるだろうけど、でもジュニアの仕事をしにくるわけじゃない)。

そう考えると、30代や40代が、若手同然に、わちゃわちゃして現場の仕事を転がすような状況が今後当たり前となる。でもそれすらも今後難しくなっていくのでAIが・・みたいなロジックで世の中が動いている。そうならざるを得ないだろうし、それで社会が動くのならそれでも良くて、人間はもっと、肉体労働すべきだと思う。それが人間しかできないことだから。事務的な仕事に人々が吸い取られ過ぎた。

私から見て、50代以上は「バブルや高度成長で基礎を築いて逃げ切ったな」と思ったけれど、おそらく今の40代も、就職氷河期はあったものの、それでも過去の状況の上でこれまで生きてこれたと思う。ここからは、社会の変化に合わせて、引退していくイメージではなく、中堅やシニア的な役回り(40代でやってきたように)を演じるのが当たり前になっていくだろう。役職定年がなくなり、定年は先延ばしされ、きっと現場に張り付いたまま年を重ねていく宿命だろう。

30代以下はきっと、今後の社会の激変に本気で対応していかなきゃいけない。逃げ切れるわけがない、これからの人口減や社会構造の変化は必然なのだから。これまでの常識が日々通用しなくなっていくことに、自分の頭で対応していかなければいけない。