orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ブラックな働き方をした若手の方が成長する・・・のウソ

 

どこかで読んだんだけど、若手が、ホワイトな働き方を主張して何の残業もせず、休日出勤もせず、心地よい働き方を長い間続けたら、一方でブラックな働き方をずっと続けた人と経験値で差を付けられて結局損をする、なんて論を読んだ。

んなわけあるかい。

結局ね、生産性が高い人ってのは残業にならない。他人が10時間かけるような仕事を1時間、いや10分で終わらせてみる。残業している他人よりたくさんの仕事をして定時に帰る。量はこなしてるから、で理屈はつく。

いやそれでも、この現場で残業をたくさんする人と、あなたみたいな定時で帰る人がいるのはおかしい、なんて話になったら、残業する人の仕事まで奪っちゃう。

こうやって、結局は現場の業務改善みたいな結果になっちゃうので、忙しい職場すら自分の力でホワイトにしちゃえるのが、仕事の醍醐味みたいなところがある。

それをね、ブラックに働いて仕事量で経験値を稼ぐなんていうけど、それは生産性が低い仕事を長時間やるってことだから、負の学習になるよね。何かをなそうとしたら、ブラックな働き方をするのがいい、という刷り込みになる。それを長い期間やったら経験値になるとか、ロジックがおかしいでしょ。

スマートな働き方をたくさん身に付ける方がより経験値が高くなる。その結果、うまくやれたらどうやったって残業にはならないよ。色んな経験値のお陰で業務効率を高める方法をたくさん思いついて、残業は絶対発生させないようにしちゃうもの。

ただ、若手に対して「生産性を高くするためにはこうしなさい」ってやると彼らも頭を使わなくなるので、それはやめてる。彼らは彼らで生産性の高い方法を探し出し実装し、自身で学ぶべきだ。決してブラックな働き方がいいのではなく、ホワイトに近づけていくために彼らは探求していく、そういうふうに仕向けている。

私は、手本となるべく、たくさんの仕事量を効率よくこなすことを見せるようにしている。そうなりたい、そのためにはどうすればいいのか、と彼らに悩まさせるようにしている。彼らの残業の機会を奪うことはしない。

この考え方で「ホワイトばかりを初めから望みそれを当たり前と思ったら経験値がつかない」というのは正しいと思う。しかしだからといって、ブラックな働き方をせよ、は違う。むしろブラックを嫌い、よりホワイトを実現する方法を探求する考えこそ必要で、そこでブラックをホワイトにできたなら、その学習の機会を貴重な体験と捉えるべきである。

そして、今の仕事がもう理解できたと思うなら、今より高度な仕事を得るためのアピールをし、また難しい仕事に挑戦し、またマスターしてホワイトに仕上げる。それが社会人の仕事観ではないか、と思う。

したがって、この件は説明が重要なのだ。ホワイトは自らが生産性の探求を行ってつかむもの。取っ散らかっている仕事を情報処理して、ブラックをホワイトにする。そのような体験の積み重ねをしていけば、他人に差をつけることができる。

決して、ブラックな体験そのものは、価値はない。

若い方には、スマートに成長して行って欲しいものだ。決してブラックが良い、なんて思わないように。