orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

今どきの若手社員への接し方を考える

 

若手社員にどう接するかというのは、どの会社も悩んでいるようだ。

私も、あと10年くらいで逃げ切れるかもしれない年頃の社員なので、この問題に対して雑に対応しているのかな・・と思ったけどそんなことはない。

私が思っていることを言語化してみたい。

 

www.chugoku-np.co.jp

「お菓子配り族」、皆さんの職場にも出没していませんか。とりわけ若手社員に手渡して機嫌を取るのが最近の傾向。背景には、部下との付き合い方の難しさがあるようです。「パワハラリスク」を恐れて苦言を飲み込み、気疲れして…。とりわけ中堅社員たちは「自分たちの時代と違って、会社は若手を過剰に甘やかして…」とモヤモヤを募らせています。(栾暁雨)

 

この記事の内容、いろいろと違和感をおぼえるところもあるので、ツッコミを入れてみようかななんて思う。

 

お菓子を配って若手社員に媚びを売り、中堅社員には配らない50代

そんなあからさまな行動をしたら、若手社員にも中堅社員にも両方気味悪がられそうなので、もしリアルだとしたら、かなりのド下手マネージャーです(断言)。配るなら全員に配らねば・・。もしくは何も配らないかのどちらか。

 

なのに最近の会社の手のひら返しは何なのだろう。新人たちを、まるで腫れ物扱い。匿名で管理職を評価する制度ができてから、ますます腰が引けている。

それはそう。管理職評価制度なんてないけど、腰が引けているのは確か。

 

新人たちは増長しているように見える。

私には見えないな。むしろ、目立ったり叱られたりするのを過度に怖がっていて、空気を読むことについては非常にナーバスになっている気がしている。

 

ミスにも反省する様子はない。

これも、若手という主語が大きすぎる。普通は反省するよね。

 

コミュニケーションも取りにくい。業務以外の時間は1秒も侵食されたくないようで、「ランチ中に話しかけられるのが苦痛」と、絶対に社内で食べない。

私も同じ性質があるので、世代は関係ないと思う。個性じゃないかな。

 

悩みを聞いたり助言したりもできない。

最近は、悩みをきくという方法論自体がおかしいんじゃないかと思い始めて来た。中堅にもシニアにも、きっと若手の悩みを解決する力はない。というより、最近は「人に悩みを解決されると恩を売るようで嫌だ」という考え方の方が主流じゃないか。

であれば、「若手がきっと役に立つ知識」を、中堅やベテランが、一方的に提示してあげて、後は考えてみてね、ってやったほうがいいと思っている。

 

みんなあきれているが、とにかく辞めさせないことが最重要ミッション。

そりゃそうでしょ、採用するのに今いくらかかると思ってんの・・。

特に、今後少子化が進み採ることができる人も少なくなる。辞めたらまた一から教育し直し。中途採用はそんなに簡単じゃないとみんな知ってる。

 

何のために甘やかしているのかバカらしくなる。

甘やかしてなど実はいない。深く関わると危ないので、ビジネスライクに接しているだけ。本人がやる気がなくできなければ、注意をすることもなく、退場となっていく世界が作られているように思う。

いくら辞めさせないのがミッションとは言え、職務放棄や能力の過度な不足は、マネジメントの責任じゃない。

 

微妙に上から目線で「35歳以上の人ってかわいそうですね。転職もできないし」とマウンティングしてくる。

できるが。

 

さらに腹が立つのは人事のトンチンカンぶり。「1日1回、若手を褒めましょう」と謎の決まりを設定。

多少、流行のコーチングを曲解している気はする。過去の記事でも書いたが、今の若手は「Try and Error」ではなく、「Success and Success」だと私は思っている。成功を積み重ねることで自己肯定感が上がり、心理的安全性が確保される仕組みとなっている。

 

上司はお菓子を配りつつ、「褒めて伸ばす」スタンスらしい。若手の言うことは何でも「いいねー」「すごーい」と持ち上げる。一切叱らない。「でも、度を超えた寛大さは責任放棄ですよ」。50代は逃げ切れるからいいが、中堅の自分たちが管理職になった時、教育されず「戦力外」のままでいる後輩を押し付けられたらたまったもんじゃない。

まずお菓子は何の役にも立っていない。若手はバカにされている。それは褒めるじゃない。無制限な褒めは人の心に響かない。なぜ褒めるに値されるかを若手が理解しないと、単に気味の悪いひとである。

寛大ではなく、あくまでもビジネスライク。怒らないのではないが指摘はして、処分はする。そして、若手を教育すべきは実は中堅である。上司は中堅を指導すべきなのだろう。

 

「ただ、刺されるのが怖い気持ちは分かる。指導から逃げているんですかね」。最近の若手はすぐに「パワハラ認定」する。実際、部下の勤務態度を注意した男性上司は、関連会社に飛ばされた。

する。これは本当。

 

自分を正当化した時には、さすがに頭にきた。「叱られて当然のモンスター社員ですよ」と男性は憤る。

叱るんじゃなくて、職務怠慢や能力不足のエビデンスを残し、1つ1つ丁寧に説明し、指摘する必要があろうと思う。

 

「親にも怒られたことがないのに上司のせいでメンタル不調になった」

親にも怒られたことがないのにとか言わんよね笑。

 

***

 

ま、記事を盛り上げる上でのフィクションシナリオなのかもしれないけど、微妙にありそうだったり、絶対なさそうだったり、の話だった。

会社という場って、昔の少年ジャンプのような、師匠と弟子が本気で戦い合い最後に「成長したな・・」と師匠が弟子に声をかけるようなイベントは発生しないと思うんだよね。

むしろ、分かりやすいキーワードとしては

「ゼロトラスト」

だね。ITの言葉なので、解説記事を用意しておく。

 

www.akamai.com

ゼロトラストとは、「組織のネットワークの内外を問わず、いかなる人またはデバイスに対しても、それらが明確に必要だとみなされるまで、IT システムやワークロードに接続するためのアクセス権を与えてはならない」という考え方に基づくネットワークセキュリティ戦略です。つまり、暗黙的な信頼を持たないということです。

 

この皮肉、わかります?。

会社の中にいたって、同僚であっても上司でも部下でも、暗黙的な信頼を持たないということ。だって、危険じゃない?。ハラスメントと言われたらキャリアを失うかもしれないんだもの。誰に対しても、隙を見せたらいけない。

明確に必要とされるコミュニケーションだけを許可すればいい。それであっても無制限ではない。

マネージャーとしての機能は、部下を管理し、最善の生産性を発揮させることだから、そのために必要なこと「だけ」をすればいいということになる。

会社なのに、そんな世知辛いし、味気ない‥と思うかもしれない。

しかし、「若手社員の方がすでにゼロトラストで会社と接している」と言えば、謎が解けるのではないですか?

私はそのように、今の会社を理解している。だからこそ、会社の外に、トラスト、つまり信頼を作らないと会社人間って無味節操になってしまうんじゃないかな、って思っている。