タイトルに結論を書いてしまった。
日本で静かに、かつ至る所で議論されているであろう。
VMwareの代わりを探せ、と。
そりゃ、あれだけライセンス体系を「ぐにゃり」としたものだから顧客も戸惑う。そしてすぐに行動に移したと思う。探せ、VMwareと同じことができる何かを。PoCをすぐに始めた顧客もいるだろう。しかし、すぐわかると思う。
代替製品は、ジェネリックではない。全く違うソフトウェアだ。ソフトウェアは使いこなしてこそパフォーマンスが発揮できるが、きっと使いこなせる技術者がVMwareほど市場にいない。未熟ながらも触れてみたら、同じ仮想化製品でもこんなに操作の仕方も設計も違うのかと、使ってみたら痛感するはずである。
切り替えコストの方が高くつくと直感的に思う人が多いだろう。現実的には仮にかなり割高になるとしてもしばらくはVMwareを使わざるを得ないと思うだろう。
もしくは、価格体系の変更に合わせてシステム全体の設計を変えるというやり方もあるだろう。そんなに稼働していない物理サーバーにVMwareを載せっぱなしにするとサブスクリプション化によって無駄なコストとなってしまう。保持しているライセンスを有効活用してサーバー台数を減らし、その上でメモリーをたくさん積んでたくさんのVMを動かそう、なんて発想になるだろう。
もしくは、ライセンスが高くなった分使えるようになったNSX-TやvSANなどを使い周辺の設備を削減するということも考えられる。これは、VMwareというよりBroadcomの戦略に積極的に乗ることで、どうせかかるお金を無駄にするのではなく有効活用しようという視点である。
今のところ目にできるVMwareライセンス変更の記事では、下記がわかりやすいか。
これだけ読んでも、まだ不明な点は多い。というのも、ちゃんとした見積を受け取れた会社の方が少ないんじゃないか。これだけ大きな変更を販社も含めて3か月ほどで完結できるわけがない。本当に上記通りになるかも、不明確だ。
どれだけの影響かわからないし、何が最善なのかもはっきりしないから、まずはVMwareの乗り換えの検討余地があるか、を各社、検討していると思う。
しかし、検証すらコストがかかるのである。
これは、VMwareの代わりはVMwareしかない、ということに帰結することをみんなわかっているからこそ関係者は途方に暮れているのだ。
現時点の私の評価としては、今後出てくるだろう新しい価格体系やルールを熟知し、賢くVMwareを使う方法を検討するのが第一、ということである。
その上で、中長期目線で乗り換えができるかの検証を開始することだ。それぐらい、他の環境に乗り換えることは慎重になるべきだ。環境依存の問題というのは様々に起こりえるし、使って見て初めてわかることもある。ハードウェアのドライバー等もVMwareではかなり信頼性が高いので、リスクを飲みこめるくらいの実績を出してから動いたほうがいい。単に仮想化できるだけがVMwareの強みではない。圧倒的なシェアには理由があるのはみんな、知っている。
もしくはクラウドの利用を検討するか。
ただ昨今は、どのグローバルクラウドでもVMware on 〇〇のようなクラウドプラットフォームで利用できるサービスがある。クラウドでもVMwareを使い続ける余地があり、状況は複雑であると言える。
VMwareの代わりを探してもきっとVMwareしかない。違うものに乗り換えるのなら、違うものであるという前提で移行しなければいけない。ということは移行コストがそれなりにかかるし、もしくは運用にかなり制限があることが利用してわかることもある。
KubernetesやOpenShiftなどのコンテナ運用プラットフォームにこの際乗り換えるか・・というのは、それこそアプリケーション自体の設計見直しが必要になる。それはもちろんVMwareではない。
まとめるとこんなところか。いやはや、大変である。