orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

目の前の仕事をやっていたらダメなポジションがある

 

組織を運用するとわかるが、ほとんどの人が目の前の仕事をやっている。そりゃ、目の前に仕事があればやるだろう。無くなれば暇になる。組織が暇にならないようにできるだけ有益なタスクを生み出しながら、全体でより大きい生産ができるようになるのが組織運営だ。暇どころかタスクがバーストし、残業続き休日出勤続きみたいな状態になるのは、それはもう運用の失敗としかいいようにない。有益な仕事が多すぎるのなら人を増やさなければいけない。無益な仕事が多すぎるのなら仕事を整理し減らさなければいけない。つまり、仕事をどうするか、という仕事がある。ちゃんと運用しなければ、どこかで歪みが爆発する。暇すぎれば、最近はゆるブラックと呼ばれ、仕事がないのに会社にいなきゃいけない。有り余る時間が過ぎるのを待たねばならず、自分自身も成長しないみたいに揶揄される。忙しすぎれば、それはブラックそのものとなる。有益で忙しいと、案外「やりがい」みたいに翻訳され、従業員もそんなに苦痛を言わなかったりするので、結構感覚的な話でもある。とにかく、目の前のことばかりを人々がやっていると、この先が全く見えなくなり、いつかバランスを崩して組織は終わってしまう。

組織のほとんどが目の前の仕事で忙しい中、私は3か月先の仕事のことを考えていた。誰が何をしてどうなるかを絵にしていたが、目論見が複雑であることに気がついた。もし何もしないで3か月後を迎えたら、きっとアドリブで色々決めていって調整に追われたのだろう。目の前の仕事は、十分な準備が整っていて初めて有益になりやすい。十分な準備とは、未来を見通すことそのものだ。時間があるうちにその時のことを具体的に想像して、誰が何をして、それが誰に引き継がれ、そして誰の助けが必要で、それはいつで。これは予想とか予言とか言う話ではなく、想像力だ。言語化はもちろん必要だが、ビジュアル的なグラフとか図とかの感覚も必要になる。組織の皆が効率的に働いていることを前提としたときに、どんな準備をしておくのがいいかを想像し、1つ1つ書類にまとめていく。

この、将来を見通す仕事。目の前の仕事に追われているとできない。だから組織の全員が忙しい状態は将来の悲観的な組織の姿を暗示していると言ってもいい。目の前の仕事をしていない人、これは「働かないオジサン」とも揶揄される気はする。目の前の仕事でみんな忙しいんだから手伝えよ、と。いや、それをやったらおしまいになる。将来の準備を誰もしなくなったら終わる。

この将来の姿の解像度を上げて、メンバーに、そして顧客に感謝されることが重要だ。ああ準備しておいてくれてありがとう、おかげで皆が効率的に動き、手戻りもなく、品質のよい成果をたくさん生み出すことができた。これを導き出すためには、一人だけ先を見ておく必要がある。働いていないわけではないのだ。